【元消防職員・防災士が解説】東京で“地震発生直後の最初の10分”にやるべきこと|命を左右する行動マニュアル

東京で地震が起きた瞬間、最初の10分がもっとも危険で、もっとも大事な時間になる。
高層ビル、地下鉄、満員電車、歩行者密度、ガラス・看板の落下…。
地方とは全く違うリスクが連続して襲ってくる。

ここでは、東京で地震が発生した直後の“最初の10分に取るべき行動”をまとめる。


■① 揺れを感じた瞬間:姿勢を低くし、落下物を防ぐ

東京では高層ビルの“長周期地震動”で揺れが大きく長くなることがある。
まずは自分の身を守ることが最優先。

● 建物内:机の下、柱・壁際、落下物の少ない場所へ
● 街中:建物の真下から離れる
● 電車内:つり革やポールにつかまり転倒防止
● エレベーター:必ず全フロア停止。無理に脱出しない

揺れが収まるまでは“避難”を考えないことが命を守る。


■② 揺れが収まったら:周囲の危険を確認する

東京は危険物が多い都市。揺れが止まっても危険は続く。

【チェックポイント】
● ガラス・照明・壁材の落下
● 火災の発生
● エレベーター閉じ込め
● 水道・ガス漏れ
● 建物外壁の崩落

特に都心は高層ビルのガラスが大規模に落下する可能性がある。
外に出る場合は“青空が見える広い場所”へ移動するのが鉄則。


■③ スマホで安否・情報を確認|ただし通信障害を想定する

地震直後は都内の通信が混雑し、つながりにくくなる。
次の方法を組み合わせて安否確認を行う。

● 災害用伝言板
● LINEの安否確認
● 自治体の防災アプリ
● ラジオ・ワンセグで最新情報

SNSは“誤情報が大量に流れる”ため、公式発信(自治体・消防・警察・気象庁)のみを信用する。


■④ 無理に帰宅しない|歩いての帰宅は最大のリスク

東京では「帰宅困難者」が数百万人発生する想定。
徒歩で帰ろうとすると、以下の災害に巻き込まれる。

● ビルからの落下物
● 火災による道路封鎖
● 人の流れによる圧迫・転倒
● 余震による再崩落
● 帰宅中に体力が尽きる

都が公式に「むやみに帰宅しない」を呼びかけているほど、徒歩帰宅は危険。


■⑤ 最初の10分で“避難するか留まるか”の判断をする

【留まるべき状況】
● 職場や駅の安全が確認できる
● 周囲が危険で外に出る方がリスク
● 火災発生がない
● 施設側が受け入れを案内している

【避難すべき状況】
● 火災が発生している
● 建物が損傷している
● 水やガスの大量漏れ
● 津波警報が発表された沿岸部(東京湾沿い)

東京では“とどまることが正解”になるシーンが非常に多い。


■⑥ 駅・地下にいる場合の10分間

地下空間は災害時にリスクが積み重なる。

● 停電して暗闇になる
● スマホ圏外で情報が取れない
● 避難経路が混雑する
● ガラス・天井材の落下

【行動】
● 職員の指示を最優先
● ホームから線路に降りない
● パニックに巻き込まれないよう壁際へ
● 地上へ出られるルートをゆっくり確保

地下では“急がない・押さない”が命を守る。


■⑦ 最初の10分でやっておくべき備え

● スマホのバッテリー残量確認
● モバイルバッテリーの接続
● 靴を確認(ヒールや革靴は危険)
● 飲み物の確保
● 家族への安否連絡(短文で)

東京は災害時、何時間も行動制限が続くため、初動で準備しておくと圧倒的に有利。


■⑧ まとめ|東京の初動は“一歩動かず、状況確認”が最強

東京では、地震直後の10分間で命を守る判断が決まる。

● 揺れが収まるまで動かない
● 周囲の危険を徹底確認
● 地下は速やかに地上へ
● 駅での混雑を避ける
● 帰宅を急がない
● 限られた情報の中で冷静に判断する

この“10分の判断力”が、都会型災害から身を守る最大の武器となる。

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