【元消防職員・防災士が解説】東京で「地震後の夜」を安全に過ごす方法|停電・火災・余震・帰宅困難…都市型リスクへの具体的対策

東京で大きな地震が起きたあと、特に危険度が増すのが“夜”。
視界が奪われ、火災が広がりやすく、帰宅困難者が増える時間帯だからだ。

ここでは、地震後の夜を安全に過ごすためのポイントをまとめる。


■① 夜の東京は“視界ゼロ”が前提

停電すれば、街灯・信号・商店の明かりが一斉に消える。

● 真っ暗な道路
● 落下ガラスが見えない
● ビル風で煙が広がる
● 交差点が大混乱

夜は危険情報の“見落とし”が増えるため、
むやみに移動しないことが最大の安全策。


■② 建物内なら「安全ゾーンを確保」

自宅や職場が無事なら、まずは安全な一室を作る。

● ガラスのない部屋
● 家具が倒れにくい部屋
● 非常用品を集めた部屋
● オフラインでも使える情報(懐中電灯・ラジオ)

余震が続く夜は、寝室を安全に整えることが重要。


■③ 夜の徒歩帰宅は“火災・ガラス”で危険が倍増

東京では、夜になるほど徒歩帰宅が危険になる。

● 火災の発見が遅れる
● ガラス・瓦礫が見えない
● 道路が混雑し歩きにくい
● 非常時の治安悪化のリスク

大地震直後の“徒歩帰宅は原則禁止”と考えてOK。


■④ 情報はスマホだけに頼らない

夜の災害では、スマホは急速にバッテリーが減る。

● 電波混雑
● バッテリー消耗
● 位置情報が使えない
● SNSのデマが急増

スマホが弱ったら「情報難民」になる。

● モバイルバッテリー
● 乾電池ラジオ
● オフライン地図

これらが、夜の命綱になる。


■⑤ 火災の煙は夜のほうが“逃げられない”

ビル火災・商店街火災は夜間のほうが危険。

● 遠くの煙が見えない
● 風向きが読めない
● 避難ルートが暗闇に包まれる

煙が1方向でも見えたら、
すぐ反対方向の広い通りへ離れる。

夜間の火災は、躊躇が命取り。


■⑥ 家族とは無理に連絡を取らない

夜の通信障害は長引く。

● 電話はまず繋がらない
● SNSの既読がつかない
● 位置情報が動かない

焦って外に出るほうが危険。
夜はとくに「動かない勇気」が必要。


■⑦ 避難所は「すぐ満員」になる可能性が高い

東京では、避難所のキャパが圧倒的に足りていない。

● 夜間は動線が確保できない
● 開設が遅れる
● すぐにいっぱいになる

避難所へ移動するより、
自宅・職場で安全が確保できるかを最優先で判断する。


■⑧ 夜間の余震は“正常性バイアス”が強まる

夜は疲れ・暗闇・恐怖が重なり、判断が鈍る。

● 「この揺れは大丈夫だろう」
● 「もう来ないだろう」
● 「少し様子を見るか」

これは最も危険な心理。
夜間は特に、早めの行動が命を守る。


■⑨ 夜は「家の中の危険」を徹底確認

東京の地震では、倒壊よりも“室内の二次被害”が多い。

● 割れたガラス
● 散乱した家具
● 水道からの漏水
● ガス機器の異常

暗闇では足を切る事故が多発する。
靴を必ず履き、安全確認する。


■⑩ まとめ|東京の“夜の地震”は昼の3倍危険

夜の東京地震で生き延びるポイントはこれ。

● 移動しない
● 火災の煙を最優先で避ける
● スマホ以外の情報源を確保
● 安全な部屋を作る
● 家族とは「安否ルール」で対応

夜は視界も情報も奪われる。
その中で“動かない判断ができる人”が、都市災害を最も安全に乗り切る。

コメント

タイトルとURLをコピーしました