東京の地下空間は、日常では便利だが、災害時は全く違う顔を見せる。
地震・停電・火災・浸水が重なると、一気に危険度が上がる。
ここでは、地下鉄駅・地下街・地下駐車場などにいるときの“最適行動”をまとめる。
■① 揺れを感じたら「天井・看板・ガラス」を意識
地下空間では“落下物”が最大の脅威。
● 天井材の落下
● 壁面タイルの崩落
● 看板・照明の落下
● ガラス破片の飛散
揺れを感じたら、まず頭を守り、壁から離れる。
柱・壁の角は比較的強いポイント。
■② エスカレーターは“絶対に走らない”
エスカレーターは地震で転倒事故が多発する。
● 段差のズレ
● 急停車
● 後ろから人が雪崩のように倒れる
揺れを感じたら、必ず手すりを握り、止まる。
転落事故のほうが命に関わる。
■③ 停電=視界ゼロ。地下は一気にパニックになる
地下空間は、照明が消えれば完全な暗闇。
● 非常灯が点かない可能性
● 誘導灯の明るさは最低限
● スマホライトだけでは視界が足りない
停電時に最も危険なのは“群衆パニック”。
むやみに移動せず、壁沿いに待機するのが安全。
■④ 火災は地上より数倍危険
地下の火災は特に致命的。
● 煙が逃げ場を失う
● 温度が上がりやすい
● 風の流れが読めない
煙が見えた瞬間に、最も近い地上出口に向かう。
“逆走厳禁”で、風下には絶対に進まない。
■⑤ 地下鉄は「安全確認が終わるまで動かない」
地震時、地下鉄は自動停止する。
● 線路に瓦礫の可能性
● 停電復旧に時間
● 安全確認に数時間かかることも
車内に閉じ込められても、基本は車内待機が安全。
トンネル内に勝手に降りると命に関わる。
■⑥ 地下街は「出口を3つ以上」覚えておく
地下街は構造が複雑で、非常時に迷いやすい。
● どこがどのビルにつながるか
● 地上出口は何番が近いか
● 避難階段はどこか
最寄りの出口だけに頼るのは危険。
普段から“複数ルート”を覚えておくことが最大の対策。
■⑦ 浸水の危険がある場合は即地上へ
東京の地下は“水害にも弱い”。
● 地下鉄入口からの流入
● 下水道逆流
● 豪雨による短時間増水
地震+豪雨、台風の複合災害では、
地下空間は真っ先に危険地帯になる。
■⑧ ベビーカー・子ども連れは上層階移動を最優先
混雑した地下空間は、子どもほど危険が大きい。
● 転倒による圧迫
● 暗闇での迷子
● 火災煙への弱さ
揺れが収まったら、最優先で地上へ移動する。
■⑨ 地上に出た瞬間も気を抜かない
地下から地上へ出たところに、次の危険がある。
● 落下ガラス
● ビル壁面の崩落
● 火災の煙
● 通行人の混乱
地上へ出たら、建物から離れ、広い通りへ避難する。
■⑩ まとめ|地下にいるときは「上へ」「広い方へ」「明るい方へ」
地下空間は、安全確認ができるまで危険度が高い。
● 頭上の落下物から離れる
● パニックで走らない
● 火災の煙を即避ける
● 出口を複数把握
● 浸水の気配を感じたらすぐ上へ
地下は便利だが、災害時はリスクが跳ね上がる。
“上へ・広い方へ・早く”を意識することで、地下空間の災害を確実に乗り切れる。

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