【元消防職員・防災士が解説】東京で“地震が起きた直後に家族と連絡が取れない”ときの最適行動|昼間に災害が起きる前提で備える

東京は、仕事・通学・外出中の人口が圧倒的に多い都市。
そのため 「家族がバラバラの場所で被災する」 ことを前提にしなければならない。

ここでは、昼間に首都直下地震が発生し、“家族と連絡が取れない状況”になった場合の具体的な行動ポイントをまとめる。


■① 電話はつながらない前提で動く

地震直後はほぼ確実に音声通話は使えない。

● 回線規制で発信できない
● 混雑で繋がってもすぐ切れる
● SMSも遅延が発生

だからこそ、事前に「連絡できない前提の家族ルール」を必ず決めておくことが命を守る。


■② 災害用伝言ダイヤル171とWeb171は“家族の生命線”

連絡手段は電話ではなく、災害伝言サービスが基本。

● 171(伝言ダイヤル)
● Web171(インターネット伝言板)
● LINEの安否確認サービス
● 携帯キャリアの安否情報

特に171は、停電しても携帯が動く限り使えるため最強クラスの手段。


■③ とにかく「移動しない」が大原則

家族が“お互いに探しに行く”ことほど危険な行動はない。

● 建物倒壊リスク
● 余震でガラス落下
● 火災延焼
● パニック群衆の圧迫

東京の災害で最も多い二次被害は“人が移動中に巻き込まれる事故”。

揺れが収まったらまず 自分のいる場所で安全確保 を最優先にする。


■④ 「帰宅困難」になる前提で行動する

首都直下では、鉄道が長時間停止するのがほぼ確実。

● その日に帰れない
● 数百万人が徒歩帰宅を試みる
● 大混雑・転倒・圧迫の危険

だからこそ、「すぐ帰る」ではなく
“その場で夜を越せる準備” が必要となる。


■⑤ 子どもは学校・保育園に任せる方が安全

学校や保育施設は、災害時に子どもを守るための体制が整っている。

● 施設は耐震化が進んでいる
● 食料や水の備蓄がある
● 教職員が避難誘導を実施

保護者が迎えに行く途中のほうが危険が高いため、
「迎えに行かない」ルールを必ず家族と共有する。


■⑥ 集合場所は“1か所だけ”にしない

災害時は状況によって集合場所が変わるため、
最低3つの集合ポイントを用意するのが最適。

① 自宅
② 自宅近くの公園
③ 職場や学校の近くの開けた場所

ポイントは “状況に応じて最も安全な場所を選べるようにすること”


■⑦ スマホのバッテリー管理が命を左右する

災害時、スマホは防災ツールそのもの。

● 位置情報確認
● 安否登録
● 災害情報の取得
● 懐中電灯代わり

だからこそ、以下は必須。

● 低電力モード
● 画面輝度最小
● 不要アプリ完全停止
● モバイルバッテリー常備(1万mAh以上)


■⑧ SNSのデマに注意。公式情報だけ見る

災害時のSNSは“デマの洪水”になる。

● 火災情報の誤報
● 余震の嘘予告
● 断水・倒壊の誤情報

見るべきは次の3つ。

● 気象庁
● 東京消防庁
● 自治体の公式アカウント

「公式以外は見ない」くらいの強い意識が必要。


■⑨ 会社員は“会社に留まったほうが安全”

東京の企業は 帰宅困難者対策が義務化 されている。

● 3日分の水と食料を備蓄
● 避難場所の整備
● 安否確認システム

むやみに帰宅するより、
職場で待機するほうが圧倒的に安全


■⑩ まとめ|家族が離れていても、命は守れる

東京で災害が起きたとき、
“家族と連絡が取れないのは当たり前”。

だからこそ重要なのは次の3つ。

● 事前に「連絡できない前提」で家族ルールを決めておく
● 動かず、安全確保を最優先
● 171・LINE安否・集合場所の複線化

災害は必ず「家族バラバラの時間」に来る。
その前提で備えておくことが、何より確実な命の守り方だ。

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