【元消防職員・防災士が解説】東京で地震が起きたら“帰宅しない”が正解|職場・学校で安全を確保する理由

首都直下地震が発生した場合、
東京では数百万人規模の「帰宅困難者」が同時に発生する。
そのため、最も危険なのは“家に帰ろうとすること”。

ここでは、東京で大規模災害が発生した際に
なぜ 「帰宅しない」=その場に留まることが命を守るのか
をわかりやすく解説する。


■① 帰宅しようとする人の動きが“最も危険”

災害時、真っ先に危険になるのは移動中の一般市民。

● 歩道は帰宅者であふれ歩けない
● ガラス片・看板落下の危険
● 電柱倒壊・火災延焼の可能性
● 余震が続き、建物の崩落リスク
● 夜間は視界ゼロでケガが増える

“動く人ほど危険に近づく”のが東京の災害の特徴。


■② 東京都の公式方針も「むやみに帰宅しない」

東京都は、
「大地震発生後、むやみに帰宅しないでください」
と明確に発表している。

理由は次の通り。

● 救急・消防の妨げになる
● 帰宅者が道路を占拠し救助活動ができない
● 道路が混雑し緊急車両が通れなくなる
● 帰宅途中での事故が多発する

つまり「帰らないこと」が社会全体の安全にもつながる。


■③ 職場・学校・商業施設の方が“自宅より安全”

多くの人は「家に帰るのが一番安全」と思いがちだが、
東京の大地震では逆になるケースが多い。

● 学校→耐震化済・教職員の避難誘導
● 会社→防災備蓄あり
● 大型店舗→構造強度が高い
● 公共施設→防災設備が整っている

“自宅より避難性の高い場所”が東京には多い。


■④ 徒歩帰宅は「水・靴・体力」がないと生死に関わる

徒歩で帰宅しようとして多くの人が倒れるのが、

● 脱水
● 足のケガ
● 低血糖
● 疲労・パニック

東京の昼間の災害では、
ヒール・革靴・スーツ・荷物なし…という人がほとんど。

徒歩帰宅できる装備ではないため、
移動そのものが命に関わる。


■⑤ 帰宅しない方が“家族と会える可能性が高い”

多くの家族がやりがちな動きが、

● 親が学校へ迎えに行く
● 子が自宅へ向かう
● 会社から家へ全員が動く

この行動が“最大の行き違いの原因”になる。

それぞれの場所で待機していれば、
通信が回復した時に確実に連絡が取れる。
動くと、逆方向へ動いてしまい、会えなくなる。


■⑥ 帰宅しないために準備しておくべきもの

“その場で24時間耐える力” があれば、帰宅せずに安全を確保できる。

最低限のアイテムはこれ。

● モバイルバッテリー
● 水500ml
● カロリーバー
● 小型ライト
● 簡易トイレ
● 常備薬
● モバイル地図(オフライン)

これだけで、帰宅困難が格段に安全になる。


■⑦ 会社や学校と“帰宅待機ルール”を共有する

家族全員の共通ルールとして、

● 地震直後は動かない
● 3時間は徒歩帰宅しない
● 職場・学校で安全を確保
● 連絡が取れなくても慌てない
● 家族で「帰らない合図」を決めておく

これを決めておくだけで、
災害時の混乱の9割が回避できる。


■まとめ|東京の災害は「帰らない」ことが防災

東京の災害では、

● 帰宅しようとする人
● 迎えに行く親
● 施設を飛び出す人

こうした“動く人”ほど被災する。

一方で、

● その場で安全確保
● 連絡回復まで待機
● 24時間の備え

これができる家族は、再会率が高く、生存率も高い。

東京では
「動かない」=命を守る最大の行動

今日、家族と“帰宅しないルール”を必ず作っておこう。

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