【元消防職員・防災士が解説】地震で“エレベーター内に閉じ込められた時”の正しい行動

大地震が発生すると、多くのエレベーターは自動停止し、
安全装置が作動してドアが閉じたまま動かなくなる。
日本では年間で数百件規模の閉じ込め事案が発生しており、
南海トラフ級の地震では「全国で1万件以上」とも想定されている。

ここでは、エレベーターに閉じ込められた際に
命を守るための“正しい行動”を分かりやすくまとめる。


■① 一番大切なのは「慌てない」こと

エレベーターは命を守るために設計されている。
地震で止まるのは“安全装置が正常に働いた証拠”。

● 落下しない
● 揺れを吸収する機能がある
● 密閉されず、空気は確保される

閉じ込め=命の危険
…ではない。まずは深呼吸して状況を整理する。


■② 非常ボタンを押して通報する

最初にやるべき行動は、非常ボタンを押すこと。

● 管理会社
● ビル管理センター
● 警備会社

につながり、状況を確認してくれる。

話す時は以下を伝えるとスムーズ。

●「地震で停止した」
●「自分の体調に問題はないか」
●「人数と年齢」
●「揺れは続いているか」

無理に扉をこじ開けようとするのは危険なので絶対にやらない。


■③ スマホの充電を節約する

救出まで“数十分〜数時間”かかる場合がある。

そのため、

● 画面の明るさを最低に
● 機内モード
● 通信は最小限
● SNS投稿などは避ける

を徹底し、バッテリーを温存する。

充電がゼロになっても、非常ボタンから連絡が取れるため心配はいらない。


■④ 揺れが収まるまでは“その場で待つ”

エレベーターは地震時に最寄り階へ停止する仕組みがあるが、
大きな揺れの最中に無理に降ろそうとすると危険。

救助側も揺れが落ち着くまで作業できない。

大きな揺れ → 停止 → 点検 → 順番に救助
という流れなので、待つことが最も安全な行動になる。


■⑤ 停電でも“酸素はなくならない”

閉じ込め時に最も多い不安が「酸欠」。

だがこれは誤解。

エレベーターは密閉構造ではなく、
換気口から外気が常に取り入れられているため、
酸素がなくなることはない。

安心して救助を待って大丈夫。


■⑥ 周囲に乗客がいる場合は“声かけ”が命の支えになる

特に子ども・高齢者・妊婦さんがいる場合、
閉じ込めは強いストレスになる。

●「大丈夫ですよ」
●「もう救助依頼は届いています」
●「ここは安全です」

この声かけだけでパニックを防ぐことができる。

防災とは「自分を守る」と同時に「周りも安心させる」行動でもある。


■⑦ ドアをこじ開けるのは絶対にNG

エレベーター事故の多くは、
「閉じ込められてパニックになり、自力で脱出しようとした時」に起きる。

● 隙間に挟まれる
● 階と階の間で落下する
● 巻き込み事故が起こる

など非常に危険。命に関わる。

非常ボタンがつながらない場合でも、
スマホで119や管理会社へ連絡できる。


■⑧ 長時間ストップに備えて、日頃から“持ち物”で備える

閉じ込めは突然起きる。
日頃から以下を持ち歩くと安心。

● モバイルバッテリー
● 500mlペットボトル水
● 常備薬
● ハンカチ・タオル
● 小型ライト(スマホの電池節約)

特にデパート・病院・オフィスなど
“エレベーター依存度が高い”場所に行く日は要注意。


■まとめ|閉じ込めは命の危険ではない。“落ち着いて救助を待つ”が最強

地震後の閉じ込めは、
安全装置が正常に作動した状態であり、
最も安全な空間の一つ。

● 非常ボタンで通報
● 無理に出ない
● スマホ節電
● 揺れが収まるまで待つ
● 周りの人を安心させる

この5つだけ覚えておけば、
どんな状況でも落ち着いて行動できる。

マンション住民だけでなく、
商業施設・オフィス利用者全員に知ってほしい大切な知識。

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