【元消防職員・防災士が解説】エレベーター地震対策|高齢者を守るために知っておくべき行動ポイント

地震の揺れでエレベーターが停止すると、
高齢者は「転倒」「不安」「体力消耗」のリスクが大きくなる。
特に足腰が弱い方や持病のある方は、
ほんの数分の揺れや閉じ込めでも体調を崩す可能性がある。

ここでは、高齢の家族と一緒にエレベーターに乗っているとき、
地震が起きた場合に“最も安全な行動”をまとめる。


■① 揺れを感じたら“姿勢の安定”を最優先に

高齢者が最も危険なのは 転倒による骨折
骨折は命に関わる場合もあるため、“姿勢の確保”が最初の行動になる。

● 肘や肩を支え、壁側へ寄せる
● 手すりがあれば必ずつかまってもらう
● 揺れが強いときは座ってもよい

エレベーターの揺れは体感以上に大きくなることがあり、
支えがない状態では転倒しやすい。


■② 最寄り階でドアが開いたら、ゆっくり降りる

地震直後にエレベーターは安全装置が働き、
最寄り階で停止しドアが開く仕組みになっている。

● 焦らせず、ゆっくり歩いてもらう
● 荷物より安全確保を優先
● 手を貸しながら安全に移動

余震で再停止する可能性もあるため、
開いたら“迷わず降りる”のが最も安全。


■③ 閉じ込められたら非常ボタンで救助要請

もし中階で止まり、ドアが開かない場合は、
非常ボタンを押せば外部とすぐにつながる

高齢者がいる場合は、「高齢者が一緒にいる」と伝えることで、
救助が優先されやすくなる。

伝える内容は次だけで十分。

● 高齢者が同乗している
● 体調はどうか
● 服薬・持病の有無

救助側は状況に応じた対応を行うため安心してよい。


■④ 高齢者の不安を軽減する声かけ

閉鎖空間・暗さ・揺れ──
これらは高齢者に強い不安を与える。

● ゆっくりした声で、「大丈夫ですよ」と伝える
● 握手・肩に手を置くなど安心感を与える
● スマホライトで足元だけ照らすと落ち着きやすい

大事なのは“パニックを伝播させないこと”。
同乗者が落ち着いていれば、高齢者も安心しやすい。


■⑤ 体調変化に注意(持病・脱水・不安)

閉じ込められている時間が長くなるほど、
高齢者は体調を崩しやすい。

特に注意すべき点は次のとおり。

● 不安から動悸が強くなる
● 持病の薬が必要になる可能性
● トイレを我慢してしまう
● 夏場は軽度の脱水が起きることも

体調の変化はすぐに救助側へ伝えてよい。


■⑥ 絶対に自力で脱出しない

エレベーターの隙間は“大人でも大けがするレベルで危険”。
高齢者は足腰が弱いため、脱出行動は命に関わる。

● かごが動く可能性
● 足を踏み外す危険
● 途中階は落下リスクが高い

“救助を待つこと=最も安全”と理解しておく。


■⑦ 地震後しばらくはエレベーターを使わない

点検前のエレベーターは再停止のリスクがある。
高齢者にとって再閉じ込めは大きな負担。

● 階段が難しいときは職員・家族に相談
● 病院・薬局に行く必要がある場合は付き添いを

日常動作が制限されるため、周囲のサポートが重要になる。


■まとめ|高齢者×エレベーターは「支える・知らせる・待つ」

地震発生時に高齢者を守る基本行動は次の3つ。

● 姿勢を支えて転倒を防ぐ
● 非常ボタンで状況を正確に伝える
● 救助が来るまで落ち着いて待つ

エレベーター内は密閉されず酸欠にもならない。
“待つことこそ安全”という知識があるだけで、
高齢者の不安は大きく軽減できる。

日常の買い物・病院・マンション移動で
エレベーターを使う高齢者は多い。
だからこそ、家族や周囲の人が正しい行動を知っておくことが、
最大の防災力になる。

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