災害時に“地域全体へ一斉に情報を届ける”ための仕組みが、防災行政無線。
しかし実際には「聞こえない」「内容が分からない」という声が全国で多く、命を守る情報が届かないリスクがある。
ここでは、防災行政無線を正しく理解し、災害時に確実に活かすためのポイントを解説する。
■防災行政無線はなぜ必要なのか?
災害時は、スマホやネットが必ずしも使えるとは限らない。
● 大規模停電でスマホが充電できない
● 通信障害でネットがつながらない
● 高齢者がスマホを持っていない
● 同時アクセスでアプリ通知が遅れる
“アナログの一斉放送で地域全体へ届ける”仕組みは、非常に強力な安全網になる。
■聞こえにくい理由は決して珍しくない
多くの自治体で「放送が聞こえにくい」という声が上がるが、その理由は明確。
● 住宅の気密性が上がり、屋外スピーカーの音が届かない
● 風向き・雨音で音がかき消される
● そもそもスピーカーの位置が遠い
● 高齢者は高周波の音が聞き取りづらい
つまり、行政無線だけに頼るのは危険。
“聞こえなかったとき”の備えが命を守る。
■行政無線を確実に受け取る方法は?
行政無線の内容は、別ルートでも受け取ることができる。
● 自治体の防災メール(登録制)
● X(旧Twitter)の自治体公式アカウント
● 地域FM・コミュニティラジオ
● 自治体サイトにリアルタイム掲載
● 緊急速報メール(エリアメール)
● 防災アプリ(防災速報・NHKニュース防災など)
行政無線の“補完手段”を複数持っておくことが重要。
■スマホ世代でも行政無線は必要か?
結論、必要。
理由は単純で、行政無線は“ネットを使わずに地域全体へ届く唯一の手段”だから。
● 地震直後は通信が不安定
● 火災時は基地局がダメージを受ける可能性
● 大規模停電でスマホが充電切れ
アナログの一斉放送が残されているのは、災害で最も強い仕組みだから。
■防災行政無線で“特に重要な放送”
次の放送は聞こえたら即行動が必要。
● 避難指示(高齢者等避難/避難指示)
● 河川氾濫情報
● 土砂災害警戒区域への避難呼びかけ
● 大規模火災の拡大情報
● 有害物質・ガス漏れの広報
行政無線は“命に直結する情報だけを流す”という前提で作られている。
■行政無線が聞こえなかったら?
聞き逃しても大丈夫。
多くの自治体では、行政無線の内容をすぐにネットへ掲載している。
● 自治体ホームページ
● 防災メール
● SNS
● コミュニティFM
放送を聞き逃したあとに確認できるルートを把握しておくと安心。
■まとめ|防災行政無線は“最後の砦”
行政無線は古い仕組みに見えるが、災害時の信頼性は非常に高い。
● スマホが使えないときにも届く
● 地域全体へ一度に伝達できる
● 命に関わる情報を最速で広報
ただし、行政無線“だけ”に頼るのはNG。
行政無線 × スマホアプリ × SNS × ラジオ
この複数ルートが、家族の命を守る確実な情報網になる。

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