食物アレルギーは「子どもだけの問題」ではない。
大人でも重篤なアナフィラキシーを起こす可能性はあり、
災害時は医療が遅れるためリスクが一気に跳ね上がる。
ここでは、大人のアレルギー持ちが災害時に命を守るための実践ポイントをまとめる。
■① 大人でも“食べ物を選べない環境”は危険
災害時は、次のような状況が重なる。
● 炊き出しの原材料が曖昧
● 調理器具の使い回しによる微量混入
● 差し入れ食品のアレルゲン不明
● ストレスで症状が出やすくなる
● 薬が手元にない状態が続く
普段よりもアレルゲンに触れやすく、体調も崩れやすいため、
「大人だから大丈夫」は絶対に通用しない。
■② 最低3〜7日分の“自分専用の食料”が必要
大人の場合は、自分で食事をコントロールしやすい一方、
災害時は食材が限られるため、自前の備蓄が必須。
● アレルギー対応食品
● 白米・おかゆ・レトルト
● パスタ・うどんなど原材料がシンプルな主食
● 栄養ゼリー
● ミネラルウォーター
● 常備薬（予備も）
「これだけ食べていれば生きられる食品」のストックを決めておくと楽。
■③ 避難所では必ず“受付で申告する”
大人は言わないまま我慢して具合が悪くなるケースが多い。
● 食物アレルギーがあります
● ○○が食べられません
● 炊き出しの材料を必ず確認したい
この3点を受付で伝えるだけで、リスクは大幅に減る。
■④ 他人からもらう“善意の食べ物”が最も危険
避難所では次のようなことがよく起きる。
● お裾分けでもらったお菓子にアレルゲン
● 原材料不明の炊き出し
● パン・クッキーなどに卵・乳が混入
● 菓子パンの油脂や香料にアレルゲン要素
「不明な食品は絶対に口にしない」
これは、子どもだけでなく“大人にも必須のルール”。
■⑤ 常備薬・エピペンは“分散管理”が鉄則
1箇所にまとめると、家屋損壊や持ち出し困難で詰む。
● 自宅（分かりやすい場所）
● バッグ
● 職場のロッカー
● 車内
4箇所に分けると最も安全。
■⑥ アナフィラキシー時の行動を“自分で決めておく”
災害時は誰も助けてくれない可能性がある。
● かゆみ、じんましん
● くちびるの腫れ
● 息苦しさ
● 動悸・冷や汗
危険を感じたら…
① 迷わず薬（エピペン）
② 119番へ通報
③ 周囲に「アレルギーです」と助けを求める
④ 座位または横向きで呼吸確保
初動が遅れると命に関わる。
■⑦ ストレスでアレルギー反応は悪化する
大人は特にストレスが症状を重くする。
● 睡眠不足
● 温度変化
● 緊張・不安
● 食事環境の乱れ
避難所では無理をせず、できる限り静かな場所を確保する。
■まとめ｜大人のアレルギーこそ“セルフ防災”が命を守る
災害時に、大人のアレルギーは確実にリスクが増える。
しかし、事前の準備と冷静な判断があれば、命は守れる。
● 自分専用の食料を備蓄
● 薬・エピペンを複数箇所に
● 避難所で最初に申告
● 不明な食べ物は絶対に食べない
「自分の体を守る防災」は、大人だからこそ重要になる。
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