非常食というと、
「カロリーが取れればいい」「保存期間が長ければいい」
と思いがちですが、実はそれだけでは不十分。
災害時は強いストレスが続くため、
心のエネルギーを補給できる食事かどうか
が、生き抜くうえで非常に重要になります。
ここでは、私が現場で感じてきた
“メンタルを支える非常食の選び方”
をまとめます。
■ ストレス環境では“甘いもの”が圧倒的に効果的
災害直後の避難生活では、
緊張・不安・寒さ・疲労が重なり、
通常より精神的な負担が大きくなります。
このとき
甘味（糖分） は脳のエネルギー源になり、
驚くほど気持ちを安定させてくれます。
● ようかん
● カステラ
● ビスケット
● 缶入りパン
● フルーツゼリー
特に小さな子ども・高齢者は、
甘いものが少しあるだけで表情が変わります。
■ “温かい食事”は心の回復力を上げる
避難所でよく聞く声が
「温かいものが食べたい」。
身体が温まるだけでなく、
心理的な安心感が一気に高まるためです。
● カップスープ
● 味噌汁
● お湯で戻すアルファ米
● 温めるレトルト
カセットコンロとガスを準備しておけば、
温かい食事へのアクセスが大きく改善します。
■ “匂い”と“やわらかさ”も重要な要素
災害時は気持ちがナイーブになっていて、
匂いや食感で食べられなくなる人が多いです。
そこで大事なのが
やさしい匂い・やさしい食感。
● おかゆ
● パンの缶詰（ふわふわ系）
● 和風スープ
● シンプルなクッキー
匂いの強い料理ばかりでは、
逆に食欲が落ちるケースもあります。
■ “好物を1つ”備えておくことが最大の支えになる
非常食で最も効果があるのは、
実は 「その人の好物」 です。
● 子どものお気に入りゼリー
● 妻・夫が好きなスープ
● 家族の定番のお菓子
「これがあるなら頑張れる」
という食べ物が、避難生活の支えになります。
災害時のメンタルは、
この“ちょっとしたご褒美”に救われるのです。
■ プロが意識する“非常食の３本柱”
防災士としておすすめするのは、
以下の3つを揃えること。
① 甘味（心を落ち着かせる）
② 温かさ（安心感をつくる）
③ 食べやすさ（匂い控えめ・柔らかい）
これを満たすと、
「食べたい」気持ちが途切れず、体力と心が守られる。
■ まとめ｜非常食は“心のケア食”でもある
災害時、人が最も求めるのは
エネルギーだけではありません。
● 少しの甘さ
● 少しの温かさ
● 少しの安心感
これらが、
あなたと家族を支える“心のエネルギー”になります。
非常食は「メンタルの備え」。
今日から、家族の“心を満たす一品”を加えてください。
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