近年、SNSで話題になる「アレクサー症候群」。
“自分で考えず、誰かの指示がないと行動できない状態” を指す俗語だが、
実はこの傾向は 災害時に致命的な弱点 になる。
災害対応は「考えてから行動」では遅い。
その瞬間に自分で判断できなければ、命に関わる。
ここでは、アレクサー症候群が防災に与える影響と、今日からできる対策をまとめる。
■ ① アレクサー症候群は“防災の最大の弱点”
アレクサー症候群とは、以下の特徴を持つ人を指す:
● 指示されるまで動かない
● 自分で判断するのが不安
● 正解を他者に求めがち
● 情報過多で思考停止しやすい
● 責任を負いたくない心理が働く
この傾向は日常生活なら問題にならなくても、
災害時は命の判断ができなくなる という大きな欠点につながる。
地震・水害・火災などの初動は「数十秒」で決まる。
指示を待つクセがある人は逃げ遅れる。
■ ② 災害時に起こる“指示待ちモード”の怖さ
実際の現場で起こっている現象:
● 揺れが収まるまで動けない
● 「避難してください」と言われるまで何も決められない
● 「うちは大丈夫でしょ?」と正常性バイアスに引きずられる
● 周りが動かないから自分も動かない
● 「誰かが何とかしてくれる」という期待
災害時には、指示が来る頃にはすでに危険が迫っていることが多い。
“逃げるかどうかを決めるのは、行政ではなく自分”。
これを理解していないと、大きなリスクになる。
■ ③ スマートスピーカー依存も災害時は弱点になる
スマートスピーカー(アレクサ、Google、Siri)は便利だが、
「情報を与えてくれる存在」に依存しすぎると判断力が落ちる。
災害時に起こり得ること:
● 停電 → アレクサ使えない
● 断線 → 情報取得ゼロ
● 通信制限 → アプリも動かない
● 充電切れ → ただの箱
頼れるのは結局、自分の判断力だけだ。
■ ④ 防災に必要なのは“自己判断スキル”
アレクサー症候群を克服するために最も重要なのは、
「自分で決める練習」を日常から積むこと。
具体的な方法:
● 避難基準を自分で決めておく
● 自宅のハザードマップを理解する
● 夜間の避難ルートを家族で共有する
● 水害の“逃げ時”を明確にする
● キキクルを毎回確認して危険度のクセを知る
判断の基準を作ることで、“他人に依存しない防災”ができる。
■ ⑤ 家族内アレクサー症候群は“避難が遅れる典型パターン”
家庭内でよくあるケース:
● 子どもが親に判断を任せる
● 高齢の親が行動したがらない
● 夫婦のどちらかが様子見
● 「避難する?」と聞いても決めない
● 「まだ大丈夫でしょ」が始まる
家族の誰か1人が判断できるだけで、生存率は一気に上がる。
防災はチーム戦。
指示待ち家族が多い家ほど危険。
■ ⑥ 今日からできる“アレクサー症候群を防ぐ防災訓練”
誰でも今日からできる行動はこれ。
● 自分で避難の判断基準を作る
● 「危険度3/5で避難開始」などのルール設定
● 1ヶ月に1回、家族と避難会議
● 夜間・雨天・停電を想定した動線チェック
● スマホが使えない前提で行動してみる
“自分の頭で考える訓練”こそ最大の防災になる。
■ まとめ|防災は「判断力」が命を守る
アレクサー症候群が危険なのは、
「他人が正解をくれるまで動けない」という構造にある。
● 判断が遅れる
● 行動が遅れる
● 逃げ遅れる
この流れが、災害時には命取り。
防災の本質は “自分で判断して行動できる力”。
どれだけ道具を揃えても、最後に動くのはあなた自身。
今日から少しずつ、
“アレクサなしでも動ける自分” を育てていこう。

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