【元消防職員・防災士が解説】防災דラストエリクサー症候群”|非常時なのに使えない心理が命を危険にさらす理由

ゲーム好きなら誰もが知る“ラストエリクサー症候群”。
ファイナルファンタジーをはじめ、多くのRPGで発症する

「もったいなくて最強アイテムを最後まで使えない」

という現象だ。

実はこの心理、
現実の災害でも頻繁に起きており、
命に関わる“危険な判断ミス”につながることがある。

この記事では、ラストエリクサー症候群が防災でなぜ危険なのか、
どう乗り越えるべきかを解説する。


■ ① ラストエリクサー症候群とは?

ゲームでよくある行動パターン:

● ラストエリクサーは“最後まで取っておく”
● 結局エリクサーを使わずにクリア
● 最強アイテム=使うと損した気分
● “ここではまだ使う場面じゃない”と判断が延びる

この「節約癖」が、災害時にも反映されてしまう。


■ ② 災害の現実でも“使えない人”が非常に多い

防災現場でよく見たケース:

● 非常食を「もったいない」と食べない
● ペットボトル水を「普段用に使うのが惜しい」
● 簡易トイレを「あの時のため」に取っておく
● モバイルバッテリーを「緊急用」として温存
● ガスボンベを節約しすぎて調理できない
● 避難を“最終手段”と思い、結果的に遅れる

すべて、
「今じゃない、まだ大丈夫」
という思考が原因。

これは完全にラストエリクサー症候群と同じ心理構造だ。


■ ③ ラストエリクサー症候群が命を危険にする理由

● 理由①:状況悪化のスピードに追いつけない

災害はゲームと違って、
HP(体力)や状況が見える化されていない。
“余裕があるつもり”で遅れると、
次の瞬間には避難不可になる。

● 理由②:貴重品に価値を置きすぎる

実際には
命 > モノ
なのに、
心理的に“モノを守る”行動を優先してしまう。

● 理由③:行動判断が遅れ、選択肢が減る

非常食を食べない
→ 体力が落ちる
→ 移動が遅れる
→ 危険な場所に取り残される

“もったいない”が連鎖し、致命傷になる。


■ ④ 特に注意すべき3つの分野

① 非常食・飲料

「消費期限が近いから食べればいいのに…」
「緊急時用だから開けたくない…」

ローリングストックができない典型例。

② モバイルバッテリー

「残り20%は温存したい」
「充電するのもったいない」

通信不能は命に関わる。

③ 避難行動

「まだ避難勧告レベルだし」
「“最後の最後”になったら動こう」

避難のラストエリクサー化は非常に危険。


■ ⑤ 防災で“ラストエリクサー症候群”を克服する方法

● 方法①:普段から“使う訓練”をする

非常食は 普段から食べる
簡易トイレは 試して使う
バッテリーは 定期的に使う・充電する

使い慣れていれば、非常時も迷わない。


● 方法②:使う目的を“命を守るため”に再定義する

「温存=賢い」 → 災害では間違い
「使う=生き残るための正しい行動」

この認識を持つだけで判断が早くなる。


● 方法③:事前に“使うべきタイミング”を決めておく

例:
● 停電したらすぐ非常灯を点ける
● 水は1日2Lは必ず開ける
● 豪雨レベル3で避難開始
● バッテリー40%切ったら使用開始

先に基準を作ることで迷いが消える。


■ ⑥ ゲームと現実の決定的な違い

ゲーム災害
やり直せる(リセット可能)やり直せない(取り返せない)
回復アイテムは無限に補充できる災害中は補充困難
もったいなくて温存しても死なない温存すると命が危険
ボス戦が分かる危険タイミングは読めない

だからこそ、
災害では「使い切る勇気」が必要。


■ ⑦ まとめ|非常時こそ“使う勇者”になれ

ゲームでは温存してOK。
ラストエリクサーは趣味だ。

しかし現実の災害では、
温存=危険、
使用=生存。

● 非常食は遠慮なく食べる
● 水はしっかり飲む
● 簡易トイレはためらわず使う
● バッテリーは積極的に消費する
● 避難は“早めに行く”が正解

ラストエリクサー症候群は、
ゲームの中だけで楽しめばいい。

現実の災害では“勇者の即断”が命を守る。

あなたの判断が家族の生存率を変える。

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