【元消防職員・防災士が解説】防災×ラストエリクサー症候群②|“温存癖”が家族の命を縮める理由

ゲームでよくある「最強アイテムを使えない癖」。
この“ラストエリクサー症候群”は、実は災害時にも驚くほど多くの人が発症する。

そしてこの心理、
家族の命を危険にする最も厄介なクセの一つ
だと、防災現場で痛感してきた。

この記事では、「家族防災」の視点からラストエリクサー症候群の危険性を深掘りする。


■ ① 家族がいる人ほど“温存”しがちという事実

● 子どものために取っておこう
● 高齢の親のために置いておこう
● まだ大丈夫、もっと最悪の時が来るかも

こうした想いが、逆に判断を鈍らせる。

実際の災害では、
“子どもがいる家庭ほど非常食を使う決断が遅れる”
という傾向がある。

気持ちは分かるが、それが危険。

家族がいる人ほど、
「早く使わない」=「リスクが膨らむ」
と理解しておく必要がある。


■ ② 子どもが被災中に体力を失うと一気に不利になる

子どもは大人より圧倒的に体力がない。
水・食糧を控えると、数時間でぐったりする。

● 行動スピードが落ちる
● 夜間避難が困難
● メンタル不安が大きくなる
● 脱水・低血糖になりやすい

この状態で避難判断が必要になると、
家族全体の動きが遅れ、危険度が倍増する。

非常食を惜しむより、家族の体力を守る方が100倍大事。


■ ③ 高齢者がいる家庭は“温存”が最悪の結果を招くことも

高齢者は
● 脱水に弱い
● 体温調節が苦手
● 夜間移動が危険
● メンタルショックを受けやすい

このため、
水と食糧の“先出し”が必要。

しかし現場では、
「まだ大丈夫」「もっと我慢してもらおう」
と温存してしまい、結果的に体調悪化→救助要請になる例が多い。

助けを呼ぶのすら難しい災害時、
これは命取りになる。


■ ④ モバイルバッテリー温存が“家族と連絡不能”を招く

災害時の最大のストレスは、
家族と連絡が取れないこと。

ところが多くの人が
「充電は最後に取っておく」
と温存してしまい、結果的に

● 連絡不能
● 安否確認できない
● 情報遮断
● 避難指示が受け取れない

という最悪パターンに陥る。

ラストエリクサー気分で温存している間に、
命に関わる情報を失ってしまうのだ。


■ ⑤ 家族防災の正解は“温存ではなく、先に使う”

これを徹底してほしい↓


● 家族防災の鉄則①

水は惜しまず飲む。特に子どもは最優先。


● 家族防災の鉄則②

非常食は「体力が落ちる前」に開封する。

食事の遅れは行動能力の低下に直結する。


● 家族防災の鉄則③

バッテリーは40%を切ったら使う・充電する。


● 家族防災の鉄則④

避難は“最悪を想定して早く動く”が正解。

子どもや高齢者がいる家庭ほど、
1〜2段階早めの避難が必要。


■ ⑥ “使ってしまったら困るのでは?”の不安を解消する

これもよくある心理だが、
大丈夫。補充はできる。

● 災害支援物資
● 自治体の配給
● 近所の助け合い
● SNSの情報
● 自販機開放(災害時は一部無料)

実際には、
使って困るケースより、使わずに困るケースの方が圧倒的に多い。


■ ⑦ まとめ|家族を守る人こそ“早く使う勇気”を持て

ラストエリクサー症候群は、
ゲームの中ではかわいい癖だ。

しかし現実では、
家族の命を左右する“危険な心理”
となる。

● “もったいない”気持ちで行動を遅らせない
● 子ども・高齢者は早めの水分・栄養補給
● バッテリーは温存せず積極的に使う
● 避難判断は早めが正解

家族の防災で大切なのは、
温存ではなく、“今使う勇気”。

災害はゲームと違い、
リセットもやり直しもできない。

あなたの判断が、
家族の未来を守る力になる。

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