多くの人が見落としているが、
災害時は「歯磨きができない」ことが深刻な健康リスクにつながる。
断水、避難所生活、疲労、ストレス…
こうした環境が口腔環境を一気に悪化させ、命を脅かすケースさえある。
ここでは、歯磨きができない状況がどれほど危険かをまとめる。
■水が使えない=口腔細菌が爆発的に増える
断水すると、歯磨きが極端に難しくなる。
この結果、口の中の細菌数は通常の10〜30倍に増えると言われている。
● 虫歯の急進行
● 歯周病の悪化
● 口臭の悪化
● 口内炎・感染症が増える
災害ストレスと相まって、たった数日で症状が進む。
■高齢者は“誤嚥性肺炎”の危険が急上昇
避難所で特に問題となるのが「誤嚥性肺炎」。
口腔細菌が増える
→ 唾液と一緒に気管へ入り込む
→ 肺で炎症が起きる
高齢者死亡原因の上位に入る病気だ。
歯磨きできない状況は、命に直結するリスクになる。
■避難生活は「柔らかい食事+ストレス」でトラブル倍増
避難所では次のような食事が増える。
● パン
● おにぎり
● カップ麺
● レトルト食品
これらは歯に貼り付きやすく、虫歯になりやすい。
さらにストレスで唾液量が減り、口が乾き、細菌が増殖する。
つまり、避難所の食生活×歯磨き不足は最悪の組み合わせ。
■水なしでできる“災害時の歯磨き”を覚えておく
災害時に役立つのは以下の方法だ。
◎① 乾式歯磨き
水を使わずに歯ブラシで汚れを落とす。
最後はティッシュで拭き取るだけでOK。
◎② マウスウォッシュ
アルコール入りのものなら殺菌効果あり。
子ども用・ノンアルタイプも必須。
◎③ 歯磨きシート
子どもや高齢者に使いやすい。
避難所でのケアに最適。
◎④ キシリトールガム
唾液を出し、口腔環境を整えられる。
ただし、子どもは誤飲に注意。
■非常持ち出し袋に入れておくべき“口腔ケアセット”
避難所生活を想定すると、次の5点は必須。
● 歯ブラシ(人数分)
● デンタルフロス
● マウスウォッシュ
● 歯磨きシート
● キシリトールガム
100均で揃えるだけでも十分効果的。
■まとめ|歯磨きできないことは災害リスク
災害時は、歯のケアが後回しになりがち。
しかし、その油断が重大な体調不良を引き起こす。
● 断水で細菌増殖
● 避難所で虫歯・歯周病が急進行
● 高齢者は誤嚥性肺炎のリスクが急増
● 唾液減少で口内炎・感染症が多発
歯のケアは「命を守る行動」。
避難所で健康を保つためにも、
非常持ち出し袋に“口腔ケア用品”を必ず入れておいてほしい。

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