避難所生活では、歯の痛みだけでなく「口臭」「口内炎」「歯茎の腫れ」などのトラブルも急増する。
これは環境の変化・ストレス・衛生状態の悪化が一気に重なるためで、誰にでも起こりうる問題だ。
ここでは、避難生活で起こりやすい口内トラブルと、その対策をまとめる。
■避難所で口臭が強くなる“3つの原因”
災害時は口臭が出やすくなる条件が揃っている。
● 歯磨き不足による汚れの停滞
● ストレスによる唾液分泌の低下
● 水不足でうがい・洗口ができない
特に「唾液が減る」ことが口臭悪化の一番の理由。
唾液は“天然の消毒液”の役割を持つため、減ると口の中の細菌が一気に増える。
■避難生活で増える“口のトラブル”
避難所では、次のような口内トラブルが頻発する。
● 口内炎
● 歯茎の腫れ(歯周病悪化)
● 舌の粘つき
● 口角炎
● 義歯のすれによる痛み
特に高齢者や子どもは悪化しやすい。
■水が少なくてもできる“口腔ケア”
災害時の歯磨きは「完璧」である必要はない。
“汚れを減らす”ことが命を守る口腔衛生につながる。
◎① 乾式歯磨き
歯ブラシだけで磨き、拭き取る方法。
● ティッシュでブラシについた汚れをふく
● 仕上げにマウスウォッシュがあれば使う
水がいらないため避難所で最も有効。
◎② マウスウォッシュ・洗口液
避難所では特に役立つ。
● 口臭
● 歯茎の腫れ
● 口内の殺菌
一本あるだけで衛生状態が大きく変わる。
◎③ キシリトールガム
唾液が出ることで細菌が減り、口臭予防に効果的。
● 「糖類ゼロ」を選ぶ
● 食後・就寝前に噛むと良い
噛みすぎは顎関節に負担があるため注意。
◎④ 義歯(入れ歯)ケア
災害時は義歯の汚れが原因で炎症が悪化しやすい。
● 毎日水で洗う
● ブラシで軽くこすり、乾燥させない
● 食後は必ず外して清潔に
義歯の不調は全身の不調につながるため重要。
■避難所で“絶対にやってはいけないこと”
口腔の悪化につながるNG行動。
● 歯磨きをしないまま寝る
● 水がないからといって一切ケアをしない
● 砂糖入りの飴・ガムを取りすぎる
● 痛い部分を舌で触り続ける
ケアを少し怠るだけで一気に悪化するのが口内環境。
■非常用持ち出し袋に入れておくべき歯科アイテム
最低限これだけあれば避難所で困らない。
● 歯ブラシ(家族人数分)
● 歯磨きシート
● マウスウォッシュ
● デンタルフロス
● キシリトールガム
● 義歯ケース・簡易洗浄剤
歯科用品は軽くてコンパクトなので備えやすい。
■まとめ|口のケアは“命を守る衛生管理”
避難生活で口腔環境が悪化すると…
● 食べられない
● 眠れない
● 痛みが続く
● 免疫が落ちる
これらが積み重なると、体調を大きく崩す原因になる。
だからこそ、災害時の口腔ケアは“健康維持の最前線”。
口を清潔に保つことは、避難生活を乗り切るための大切な防災行動である。

コメント