避難所生活では「災害時に歯が急に痛み出した」という相談がとても多い。
実はこれは偶然ではなく、災害時特有の環境とストレスが重なった結果として起こる“典型的な災害関連症状”だ。
ここでは、避難所で歯の痛みが増える理由と、できる限り痛みを抑える方法をまとめる。
■避難所で歯が痛くなる“4つの大きな理由”
◎① ストレスによる食いしばり・歯ぎしり
災害時は、緊張・不安・睡眠不足が続き、無意識のうちに歯を食いしばる人が増える。
● 頭痛
● 顎のだるさ
● 歯の痛み
● 歯茎の痛み
ストレスが大きいほど悪化しやすい。
◎② 冷たい空気・乾燥で知覚過敏が悪化
避難所は暖房不足や乾燥が起こりやすい。
その結果、歯の表面が敏感になって痛みやすくなる。
● 歯の根元がキシキシ痛む
● 冷たい水や空気でしみる
知覚過敏は避難生活と相性が悪い。
◎③ 歯磨き不足による炎症
災害直後の生活は不規則となり、歯磨きの回数が減る。
● 歯茎の腫れ
● 噛むと痛い
● 口内炎の増加
衛生環境が悪いほど痛みは悪化する。
◎④ 持病(虫歯・歯周病)の急激な悪化
普段は気にならなかった軽度の虫歯や歯周病が、避難所の環境で一気に痛み出すことがある。
● 冷たい物でズキッ
● 夜になると痛みが強くなる
● じんじん脈打つ痛み
避難生活のストレスで進行が早まるのが特徴。
■水が少なくてもできる“応急的な歯痛ケア”
◎① 痛い部分を冷やす
● 頬の外側を冷やす
● 氷を直接歯に当てない
血流を抑えることで痛みが軽減する。
◎② 食いしばり防止の“タオルくわえ”
就寝時に特に効果的。
● タオルや衣類を軽く噛む
● 顎の負担を減らす
避難所では簡単に実践できる。
◎③ 知覚過敏ケア用の歯磨き粉を使う
● シュミテクト
● クリニカNEXT 知覚過敏ケア
痛みを和らげる成分が役に立つ。
◎④ やわらかい食品を中心に食べる
痛い歯に刺激を与えないようにするだけで痛みは大幅に軽減。
● おかゆ
● スープ
● 柔らかいパン
避難所の食事でも工夫できる。
■避難所で“絶対にやってはいけないこと”
● 痛い部分を舌や指で触り続ける
● 同じ場所で偏って噛む
● 熱い飲み物で温める
● 市販薬を大量に飲む
誤った行動は痛みを悪化させる。
■非常持ち出し袋に入れておきたい“歯痛対策アイテム”
● 知覚過敏用歯磨き粉
● 歯ブラシ
● マウスウォッシュ
● 鎮痛薬(ロキソニン・イブ)
● 義歯ケア用品(義歯の方)
軽くて場所を取らないため、必ず入れておくべき。
■まとめ|歯の痛みは“避難生活の大敵”
歯の痛みは睡眠・食事・行動をすべて奪う。
避難所生活では、想像以上に心身へのダメージが大きくなる。
● ストレス
● 乾燥
● 歯磨き不足
● 持病の悪化
この4つが揃う避難生活では、歯痛は「災害関連症状」として誰にでも起こりうる。
だからこそ、普段からの歯科通院と、災害時の最低限のケアが命を守る行動につながる。

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