災害時に痛みやトラブルが起きやすい部位のひとつが「歯」。
避難所で歯が痛むと、食事・睡眠・行動すべてに影響し、体力低下を招く大きな要因になる。
だからこそ、平常時からの“歯科メンテナンス”は防災対策そのものだ。
ここでは、災害前にやっておくべき歯科チェックポイントをまとめる。
■① 小さな虫歯も必ず治しておく
災害時には軽度の虫歯が一気に悪化しやすい。
● ストレス
● 不規則な生活
● 歯磨き不足
● 食いしばり
これらの条件が重なると、普段気づかない程度の虫歯でも痛みが急激に強くなる。
「まだ大丈夫」は避難所では通用しない。
■② 歯周病のチェックは“命に関わる”
歯周病は災害時に悪化しやすい病気。
特に高齢者は、口腔内の炎症が全身の健康にも影響する。
● 歯茎の腫れ
● 出血
● 噛んだ時の痛み
避難生活でこれが悪化すると、食事が取れず体力が一気に落ちる。
災害前に必ず検査しておきたい項目だ。
■③ 詰め物・被せ物の緩みをチェック
避難所で最も多いトラブルのひとつが「被せ物が取れた」「詰め物が外れた」という相談。
● 長年メンテナンスしていない
● 噛み合わせの変化
● 劣化による剥がれ
災害中に外れると、痛み・しみる・食事困難などが同時に起きてしまう。
事前点検は必須。
■④ 親知らずのチェックは忘れがち
親知らずは、災害時に痛む“代表格”。
● 腫れ
● 炎症
● 噛むと激痛
避難生活では歯科受診が難しいため、普段から医師に状態を確認してもらうことが重要。
■⑤ 噛み合わせ・食いしばり対策を相談
災害時はストレスで食いしばりが激増する。
● 顎関節症の発症
● 歯の痛み
● 歯が欠けることもある
ナイトガード(マウスピース)は、避難所生活でも役立つ“防災グッズ”のひとつ。
歯科医院で自分の噛み合わせを見てもらうだけで、トラブルを大幅に減らせる。
■⑥ 義歯(入れ歯)のある人は必ずメンテ
高齢者が避難所で困るポイントの上位が「入れ歯トラブル」。
● 痛くてつけられない
● 合わなくなっている
● 破損している
義歯の状態が悪いと、災害時に一気に生活が破綻する。
持ち出し袋には、義歯ケースと洗浄剤も必ず入れておく。
■⑦ 子どもの矯正中の家庭も確認を
災害時、矯正装置のトラブルは不安を大きくする。
● ワイヤーが刺さる
● 装置が外れかけている
● 痛みが出る
矯正中の子どもがいる家庭は、定期チェックを怠らないことが大切。
■非常持ち出し袋に入れておくべき“口腔ケア用品”
● 歯ブラシ
● 携帯歯磨きジェル
● 知覚過敏ケア歯磨き粉
● マウスウォッシュ
● 歯間ブラシ
● 義歯用品(義歯の人)
● 口腔保湿ジェル(乾燥対策)
歯の痛みは、災害時の行動力を奪う大敵。
小さく軽い口腔ケア用品は、避難生活の質を大きく左右する。
■まとめ|歯科メンテナンスは最強の“防災行動”
避難所で歯が痛くなると、食べられない・眠れない・動けないという最悪の状況に陥る。
だからこそ、災害前の歯科受診は命を守る準備と言える。
● 小さな虫歯も放置しない
● 歯周病対策
● 詰め物・被せ物のチェック
● 食いしばり対策
● 義歯メンテ
「平常時のメンテナンス=災害時の生存率アップ」。
歯科チェックは、もっとも手軽で効果の高い防災行動だ。

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