避難所生活が長期化すると、確実に問題が起きるのが「口腔ケア」。
いつも通りのケアができないことで、歯や歯茎の不調が一気に悪化する。
歯の痛みは“生活の質を大きく下げる災害”。
ここでは、避難所でもできる口腔ケアの実践ポイントをまとめる。
■① 水が少なくてもできる「災害歯磨き」
断水時でも、歯磨きをやめてはいけない。
口の中が汚れたままだと、虫歯・歯周病が急速に悪化する。
● 歯ブラシは乾いたまま使用
● 汚れを拭き取るだけでも効果あり
● 少量の水で口をすすぐ
● マウスウォッシュがあればさらに良い
“水が少ない状況を前提にした磨き方”を知っておくと安心。
■② 食後すぐに歯を磨くのが難しいときの対策
避難所では、食事後すぐに歯磨きができないことも多い。
そんなときは以下の方法が有効。
● 口を軽くゆすぐ
● キシリトールガムを噛む
● ウェットティッシュで歯を拭く
食べ残しや糖分を口に残さないだけでも、虫歯リスクは大きく下がる。
■③ マウスウォッシュは歯磨きの代わりになる
避難生活で持っておくべき口腔ケア用品の筆頭がマウスウォッシュ。
● 水不要
● 口臭予防
● 殺菌効果
● 虫歯・歯周病の進行抑制
特にアルコールフリーのタイプは子どもにも使いやすい。
■④ 入れ歯の管理は“命のケア”
高齢者の避難生活で問題になりやすいのが義歯トラブル。
● 痛い
● 合わない
● 清潔にできない
これらが続くと「食べられない→体力低下→健康悪化」という悪循環になる。
避難所に持っていくべきもの
● 義歯ケース
● 義歯洗浄剤
● 柔らかめの歯ブラシ
● 入れ歯安定剤
入れ歯のケアは、立派な“命を守る行動”である。
■⑤ 加湿と口腔ケアはセットで考える
避難所は乾燥しやすく、口の中が荒れやすい環境。
乾燥は、虫歯・歯周病・口内炎すべての原因になる。
● 水分補給
● 濡れタオルで簡易加湿
● 口腔保湿ジェルの使用
● 唾液マッサージ
“口の乾燥対策”は災害時の重要ケアのひとつ。
■⑥ 甘い非常食を食べた後のケアが超重要
非常食は、糖分・炭水化物が多いものが中心。
そのため「虫歯になりやすい食事」が続きやすい。
● カロリーメイト
● 菓子パン
● エネルギーゼリー
● ビスケット類
これらを食べた後は、必ず口をゆすぐかガムを噛む習慣をつける。
■⑦ 避難所で増える“食いしばり”への対策
ストレス環境では食いしばりが増える。
これが原因で歯痛・顎関節症が起きやすい。
● 深呼吸
● 軽いストレッチ
● 就寝時は肩の力を抜く意識
● ナイトガードがあれば使用
精神的なストレスケアが口腔ケアにもつながる。
■⑧ 口腔トラブルが起きたときの応急処置
避難所で歯科医にすぐ行けない場合、応急処置が重要。
● 激痛 → 冷やす・市販鎮痛薬
● 歯茎の腫れ → 優しく歯磨き・口を清潔に
● 詰め物が外れた → ガム等を詰めるのはNG、清潔保持を最優先
悪化させないことが最優先。
■まとめ｜避難生活で口腔ケアを怠ると“体力が落ちる”
口のトラブルは軽く見られがちだが、避難生活では重大トラブルに直結する。
● 食べられなくなる
● 睡眠不足になる
● 痛みで動けない
● 免疫が落ちる
つまり、口腔ケアは“生命維持スキル”。
避難生活の中でもできる範囲で口を守る行動を続けることが、心身の健康を守る最大の防災になる。
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