【防災士が解説】防災×薬剤師|「薬の専門家」が災害時に果たす役割と家庭でできる備え

地震・停電・断水・長期避難──災害が起きると、必ず問題になるのが「薬の確保」。
薬を必要とする人が多い一方で、医療機関や薬局が機能しないことも多い。

そんな中で頼りになるのが“薬剤師”。
そして、自宅での備えも「薬の正しい扱い」が生死を左右する。

ここでは、防災の観点から薬剤師の重要性と、家庭でできる準備をまとめる。


■① 災害時の薬剤師は“命をつなぐ支援者”

災害時、薬剤師は次の役割を果たす。

● 医薬品の供給・管理
● 避難所での薬の相談
● お薬手帳がなくても内容を聞き取り
● 持病薬の代替案を医師と調整
● 服薬のタイミング・量の指導

医療が止まっても、薬剤師の存在が“最低限の治療”を支える。


■② 自宅で絶対にしておくべき「薬の防災対策」

災害時の薬トラブルの8割は“準備不足”が原因。

家庭で必要な備えは次の通り。

● お薬手帳を最新に更新
● 7〜14日分の薬をストック
● 使い切り目安をメモして保管
● 常備薬・医療品の置き場所を統一
● 市販薬の使用期限を定期チェック

特に慢性疾患(高血圧・糖尿病・喘息など)はストック必須。


■③ 薬のストック方法は「ローリング」がベスト

薬を大量に買い込む必要はない。
災害時に最適なのは“薬版ローリングストック”。

● 毎月の受診時に1〜2週間分余分に確保
● 古いものから使う
● 常に新しく・切らさない状態を維持

これが最も安全かつ現実的な備え方。


■④ 避難所でよく起きる薬トラブル

避難生活では多くの薬トラブルが発生しやすい。

● 持病薬が足りない
● 名前が似ている薬を間違える
● 高齢者が薬を飲み忘れる
● 湿布・塗り薬の紛失
● インスリンや薬が高温で劣化

薬剤師のサポートが必要な理由はここにある。


■⑤ 高齢者・子どもの薬は特に注意が必要

災害時の薬管理で最も難しいのは弱者ケア。

● 服薬介助が必要
● 錠剤よりも粉薬が便利
● 子どもの解熱剤は2種類ある(アセトアミノフェン・イブプロフェン)
● インスリンは温度管理が最重要

災害時は「いつもと違う環境」になるため、普段以上に注意が必要。


■⑥ “薬の代替方法”を知っておくと強い

災害時は、必ずしも同じ薬が手に入るとは限らない。

薬剤師が教える代替の考え方は以下。

● 同じ成分のジェネリック
● 同じ効果を持つ別製剤
● 用量を調整して対応
● 飲みやすい剤形へ変更

代替の幅を知っておくと、災害時でも治療を継続しやすい。


■⑦ 市販薬で最低限そろえておくべき防災医薬品

災害時に役立つ“防災版・家庭用救急薬”はこちら。

● 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)
● 胃腸薬
● 口内炎薬
● 抗ヒスタミン薬(アレルギー用)
● 絆創膏・消毒液
● 目薬
● 便秘薬・整腸剤

避難生活ではストレス・食事の変化で体調不良が多発するため、これらの準備が有効。


■⑧ お薬手帳は“命のデータ”

災害時、お薬手帳の有無は生死に関わる。

● 服薬内容
● アレルギー
● 禁忌薬
● 副作用歴
● かかりつけ医・薬局

これらがすべて分かるため、避難所で適切な医療につながりやすい。

紙とスマホアプリの“二重管理”がベスト。


■⑨ 薬剤師のアドバイスを受けられる避難所は強い

避難所に薬剤師がいると、住民の健康状態が大きく変わる。

● 持病悪化の防止
● 熱中症・脱水の予防
● 感染症対策
● 誤薬事故の防止
● 心のケアに関する助言

避難所運営での薬剤師の価値は非常に高い。


■⑩ まとめ|薬を備えることは“命を守る準備”

災害時、薬は「買いに行けば手に入る」ものではなくなる。
だからこそ、家庭での備えと、薬剤師の専門性が命をつなぐ。

● お薬手帳を最新に
● 持病薬は7〜14日分ストック
● 市販薬は災害向けにそろえる
● 高齢者・子どもは特に慎重に
● 薬剤師の相談を積極的に活用

薬の備えは、最も再現性の高い“命の防災”である。

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