【防災士が解説】防災×綿②|「綿100%の衣類」が避難生活のストレスを劇的に減らす理由

災害時は、気温・湿気・睡眠・衛生環境など、日常とはまったく違うストレスにさらされる。
その中で、衣類選びは命に関わらないように見えて、実は避難生活の“快適さ・健康”を大きく左右する重要ポイントだ。

結論から言えば、避難生活の衣類は「綿100%」を強く推奨する。

ここでは、綿素材が避難生活で圧倒的に有利な理由をまとめる。


■① 皮膚トラブルの8割は“衣類の素材”で防げる

避難所の生活は、
● 汗
● ホコリ
● 蒸れ
● ストレス
が重なり、肌荒れが非常に起きやすい。

特に、化繊のインナーは
● 摩擦が強く
● 蒸れやすく
● 静電気が起きやすい
ため、痒みや発疹につながりやすい。

一方、綿は
● 肌への刺激が少ない
● 長時間でも痒くなりにくい
● 敏感肌・子ども・高齢者に最適
と、避難生活で“肌を守る素材”として非常に優秀。


■② 熱中症対策にも効果的

災害は夏に多い。避難所は熱気がこもり、汗を大量にかく。

綿は吸水性が抜群で、
● 汗を素早く吸って
● 蒸れを抑えて
● 体温上昇を防ぐ
ため、熱中症リスクの軽減に役立つ。

特に子どもや高齢者は汗のトラブルが命に直結するため、綿のインナーは必須。


■③ 寒さのストレスを軽減し、睡眠の質を保つ

避難生活で崩れがちなのが「睡眠」。
寒暖差が大きい環境では、汗を吸ってくれる素材が圧倒的に快適だ。

綿のメリット
● 汗冷えしにくい
● 吸湿性で体温を調整
● 寝汗を吸収して快眠を維持

避難生活の睡眠はQOLに直結するため、綿の衣類は本当に価値がある。


■④ 火災時の“化繊の溶融”から身を守る

避難所では
● カセットコンロ
● ガスストーブ
● 暖房器具
● ロウソク
が使われるケースもあり、火災リスクは常にある。

化繊(ポリエステル等)は溶けて皮膚に張りつく危険があり、重大な火傷につながる。

綿は
● 燃えにくい
● 溶けない
ため、火災時の安全性が高い素材。

災害対策の「衣類としての安全性」を考えると、綿は理想と言える。


■⑤ 長期避難に強い“耐久性”

避難生活が数週間〜数ヶ月に及ぶことは珍しくない。

綿は
● 洗っても傷みにくい
● 匂い残りが少ない
● 肌触りが長持ちする

という特性があり、長期利用に向く。

化繊は汗を吸いにくく匂いが残りやすいため、避難生活では不快感が増える。


■⑥ 綿の衣類は“衛生管理”を助ける

避難生活では
● 毎日洗えない
● 風呂に入れない
● 汗や皮脂が溜まる
という問題が発生する。

綿は臭いを吸いにくく、通気性が高いので、長時間着続けても化繊ほど臭わない。

● 入浴の頻度が落ちる
● 衣類を洗えない
● 下着が数日同じになる

こうした状況こそ綿の強みが光る。


■⑦ 防災バッグには必ず“綿100%の下着・Tシャツ”を入れておく

最低限の綿アイテムは次の通り。

● 綿100%Tシャツ 1〜2枚
● 綿の下着
● 綿の靴下
● 綿タオル 2〜3枚
● 綿ガーゼ

災害発生直後の不快感とストレスを大幅に減らす。


■⑧ 子どもにも高齢者にも“綿が安心”

災害時に最も弱い立場の人ほど、綿のメリットが大きい。

● 肌荒れの予防
● 汗を吸って冷えを防ぐ
● アレルギーのリスクが低い

避難生活で健康トラブルを減らすために、綿は最適な素材だ。


■まとめ|「綿を選ぶ」だけで避難生活は驚くほど快適になる

綿の衣類は、災害時のストレスを軽減する“最もコスパの良い防災対策”の一つ。

● 肌に優しい
● 吸水・吸湿が強い
● 火災でも溶けない
● 匂いが残りにくい
● 長期避難でも快適

防災バッグや日常着を見直すだけで、避難生活の快適性が大きく変わる。

「綿を選ぶ」──
それは小さな工夫でありながら、災害時には大きな安心につながる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました