【防災士が解説】防災×リサイクル工場火災|身近に潜む“大規模火災”のリスクと私たちができる備え

近年、全国で「リサイクル工場火災」が相次いでいる。
紙・プラスチック・家電・木材など、多量の可燃物を扱うため、一度燃え始めると“長期化・広域化”しやすいのが特徴だ。

意外と身近にある危険であり、住宅地の近くに工場があるケースも珍しくない。
ここでは、リサイクル工場火災が起きる理由と、私たちが取るべき現実的な対策をまとめる。


■① リサイクル工場火災は“町全体の問題”

リサイクル工場で扱うものは、実は火がつきやすい物ばかり。

● 廃プラスチック
● 古紙・段ボール
● 木材・パレット
● 家電製品(リチウム電池入り)
● 布類
● 粉じん

大量に集積され、風が強い日は一気に燃え広がる。
火災旋風・黒煙・飛び火など、消防の手に負えない状況に発展することもある。

住宅地に隣接する工場も多く、住民にとって“重大災害”に変わりうる。


■② 出火原因のトップは「リチウム電池」

リサイクル工場火災の最大の原因は、廃家電や小型電子機器に含まれるリチウムイオン電池の破損・発火

破損すると
● 発熱
● 発火
● 爆発
する性質があり、周囲の可燃物へ一気に延焼する。

家庭ごみとして“誤って混入”されるケースが全国で増えており、これは一人ひとりが防げる問題でもある。


■③ 火勢が強く“消火に数日〜数週間”かかることも

リサイクル工場火災は、一般的な建物火災より圧倒的に鎮火が遅い。

理由は
● 可燃物の量が膨大
● 山状に積み上げられ、内部でくすぶり続ける
● 重機による掘り起こしが必要
● 有毒ガスが発生しやすい

このため、住民は“長期の煙害”に悩まされるケースも多い。


■④ 黒煙と有害物質による健康被害リスク

燃えるものによっては、以下のような有害物質を含む煙が発生する。

● ダイオキシン
● ばいじん
● 有機化合物
● リチウム電池の燃焼ガス

強い刺激臭や目の痛み、喉の不調を訴える人も多く、換気が制限されるため夏場は熱中症リスクも上がる。

“煙から距離を取る”という基本行動が極めて重要。


■⑤ 飛び火・火災旋風の危険性

高温で大量の可燃物が燃えるため、火災旋風が発生しやすい。

特に
● 強風
● 乾燥
● 大量の可燃物
が重なると、火の粉が数百メートル先に飛び、住宅火災へ拡大する危険がある。

周辺住民は避難準備が必要になることもある。


■⑥ 住民ができる“現実的な備え”

リサイクル工場火災は個人が止めることはできないが、被害を減らす備えはできる。

● 工場の位置を地図で把握
● 風向きの情報(アプリ)を確認
● 窓の気密性を高めておく
● 防煙マスクの備蓄
● 空気清浄機(HEPAフィルター)
● 避難ルートを複数考えておく
● 小型家電は絶対に分別して捨てる

特に「分別ごみの徹底」は、火災を未然に防ぐ重要な行動。


■⑦ 自宅でリチウム電池を捨てるときの注意

小型機器に入っている充電池は、必ず次の方法で処理する。

● 家電量販店の回収BOX
● 市区町村の適切な回収ルート
● 金属ごみと混ぜない
● 穴を開けない
● 破損したまま保管しない

誤った排出がリサイクル工場火災につながるため、“正しい捨て方”は住民の責任とも言える。


■⑧ まとめ|リサイクル工場火災は“地域防災”の重要テーマ

リサイクル工場火災は、発生すれば町全体に影響し、長期間生活を脅かす。

● リチウム電池の混入が最大原因
● 大量の可燃物で火災が長期化
● 黒煙・有害物質が広域へ
● 飛び火・火災旋風の危険
● 分別の徹底が最大の予防策

私たち一人ひとりの行動で、火災のリスクを確実に下げられる。
“ごみの捨て方”は、実は立派な防災アクションの一つだ。

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