【防災士が解説】防災×LINE|災害時に“命を守る連絡ツール”として使いこなすポイント

災害時、家族や仲間との連絡手段として最も利用されるのがLINE。
しかし、普段何気なく使っているLINEも、非常時には「命を守るツール」に変わる。
ここでは、災害時にLINEを最大限活用するためのポイントをまとめる。


■① 連絡がつながりにくい時は「テキスト一択」が鉄則

災害時は回線が混雑するため、
● 通話
● 動画送信
● 写真大量送信
は大きな負荷となり、送れなくなることが多い。

最もつながりやすいのは
テキスト(短文)+スタンプ最小限

「無事です」「避難中」「○○にいます」
これだけでも十分に安否確認ができる。


■② 家族グループは“テンプレ文”を決めておく

災害時は冷静に文章を考える余裕がない。
事前に、家族LINEグループで「連絡テンプレ」を決めておくと混乱が減る。

● 【安否】生きてる、ケガなし
● 【場所】自宅/避難所/職場
● 【行動】避難する/待機
● 【必要】水/充電/助けて

短文テンプレを事前に用意することで、緊急時でも秒で送れる。


■③ 位置情報の送信は“避難の遅れ防止”に効果的

LINEの「位置情報を送る」を使えば、
地図上で現在地を共有できる。

● 子どもが学校から帰れない
● 家族が別々の場所で被災した
● 夜間避難で道がわからない

こうした状況で、“迷子防止・発見の迅速化”に役立つ。

位置情報共有は災害時の強力ツール。


■④ LINE通話は「まったく繋がらない時の最終手段」

音声通話は回線の負荷が高く、
特に地震直後はつながらないことが多い。

もし通話が必要なら:

● LINE音声通話 → ×(混雑に弱い)
● LINEのメッセージ → ○
● LINEの位置共有 → ○
● 携帯会社の災害用伝言ダイヤル → ○

災害時は“声より文字”が原則。


■⑤ オフラインメモとしても使える

LINEの「Keepメモ」はネットが切れても編集できる。

● ハザードマップのスクショ
● 緊急連絡先
● 薬情報
● 家族ルール
● 避難所リスト
● 必要物資メモ

通信回復後に自動で同期されるので、
“オフライン防災ノート”として超有能。


■⑥ バッテリー節約モードを必ずONにする

災害時は充電ができない。
LINEは通知やバックグラウンド通信で電池を消耗しやすい。

以下を必ず実行:

● スマホの低電力モードON
● 画面の明るさ最小
● 不要アプリ停止
● 位置情報は必要時のみ
● LINE通知を絞る

“スマホが生きている時間=命の時間”になる。


■⑦ 高齢の家族には「音」でなく“文字と画像”で伝える

災害時は、周囲が騒がしく音が聞こえにくい。
高齢者と連絡を取るときは

● 大きめの文字
● 写真(避難所の入口など)
● 明確な指示

これらが非常に効果的。
家族LINEグループで大活躍する。


■⑧ 偽情報・デマの共有をしない

災害時は、LINEでもデマが大量に流れる。

● 「○○が爆発するらしい」
● 「△△川が決壊したと聞いた」
● 「避難所がいっぱい」

必ず、
自治体・消防・警察・気象庁など“公式情報”のURLだけを共有
するのが鉄則。

誤情報は命に直結するため、慎重に扱う。


■⑨ 写真・動画は「小容量」にして送る

大きなファイルは送れないことが多い。
どうしても送る必要がある場合は:

● 明るさ調整
● 画質を下げる
● 1枚だけ送る
● 動画は10~20秒にカット

“必要最低限”の送信だけに絞ることで、家族の状況共有が確実に届く。


■まとめ|LINEは“日常のアプリ”ではなく“命を守るインフラ”

LINEを防災で使うポイントは次のとおり。

● 連絡は短文・テキスト
● 家族テンプレを決める
● 位置情報で迷子防止
● Keepメモは防災ノート
● バッテリー節約が最重要
● デマを流さない
● 必要最低限の写真・動画

災害時、LINEを正しく使える家族ほど、助かる確率は高くなる。
防災は「道具」ではなく「使い方」で差が出る。

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