スマホが突然鳴り響く「緊急地震速報」。
あの数秒の警報は、あなたの行動ひとつで 生死を分けるほど重要な“最後の防災チャンス” になる。
しかし、正しい意味や行動を理解していないと、せっかくの猶予を活かせない。
ここでは緊急地震速報の仕組みと、発表された瞬間に取るべき行動を、防災士の視点でわかりやすく解説する。
■① 緊急地震速報とは？
「強い揺れが来る前に知らせる」警報システム。
日本全国の地震計が 初期微動（P波） を検知し、
後から来る 主要動（S波）＝大きな揺れ が来る前に発表してくれる。
● 揺れの到達予測
● 揺れの大きさの予測
● 発生地域の推定
これらを一瞬で計算し、数秒〜数十秒の猶予を与えてくれる。
■② 緊急地震速報には“2種類”ある
●① 訓練や誤報も含む「一般向け速報」
スマホ・テレビ・ラジオで流れる。
●② 「警報」（高度利用者向け）
震度5弱以上が予測される地域に発表される。
アラートの“あの強烈な音”は、震度5弱以上の可能性が高いときに鳴る。
■③ マグニチュードが大きいほど“誤差”は避けられない
緊急地震速報は100%正確ではない。
理由は、大地震ほど揺れの広がりが複雑になるため。
● 震源が不明確
● 海溝型は予測困難
● 二つ以上の震源が同時に動くケース
● P波とS波の判別が難しい時
だからこそ「誤報だったら笑って済む。誤報と思って動かないのが一番危険」。
■④ 緊急地震速報が鳴った瞬間にすべき行動（屋内）
最重要ポイントは “動かない” こと。
● 机の下に頭を入れる
● 揺れがおさまるまで移動しない
● ガス、火の元は揺れが止まってから
● 窓から離れる
● ドアを開けるのは揺れの最中にやらない
★最悪なのは「走る」「外へ飛び出す」「階段へ向かう」。
■⑤ 屋外にいる場合
● 看板・ブロック塀・建物外壁から離れる
● 車の運転中はゆっくり減速し、道路左に停車
● 海辺・川にいる場合は後からの津波に備えて即離れる
揺れが弱くても、落下物や倒壊の危険は常にある。
■⑥ 高層ビル・商業施設での注意点
高層階ほど揺れが長い。
● 無理にエレベーターを使わない
● ガラス落下ゾーン（外周部）を避ける
● 店舗では棚から離れる
“揺れの長さ”がメンタルを削るが、耐震性能は高いので落ち着いて行動すれば安全。
■⑦ 緊急地震速報が鳴る前に準備しておくこと
たった数秒を最大限に使うには事前準備が不可欠。
● 家具固定（転倒＝最も多い負傷原因）
● 荷物は高い場所に置かない
● スマホの緊急速報設定はON
● 夜間は枕元に靴・ライトを置く
● 就寝時の窓際は避ける
結果として“緊急地震速報が鳴らなくても助かる家”が最強。
■⑧ 子ども・高齢者の家庭で必ず共有したいこと
● 「速報＝その場で止まる」
● 「机の下に頭を入れる」
● 「走らない・外へ出ない」
これを家族で反復練習するだけで、生存率は大きく上がる。
■まとめ｜“たった数秒”を制する者が命を守る
緊急地震速報は完璧ではない。
しかし、数秒あれば 命を守る行動が確実に取れる。
● 家具固定で負傷リスクを最小化
● 屋内はその場で頭を守る
● 屋外は上からの落下物から離れる
● 車はゆっくり停止
● 子ども・高齢者は動かない訓練が重要
速報は「恐怖の音」ではなく “命を守るラストチャンス” だ。
日頃の備えが、その数秒を最大限に活かす最強の防災になる。
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