近年、イノシシ被害は山間部だけの問題ではなく、都市部・住宅地・学校周辺でも急増している。
豪雨や台風で生息地が荒れ、エサを求めて市街地へ出てくるケースが増加。
災害時はさらに遭遇リスクが高まるため、正しい知識が命を守る。
■① イノシシは災害時に“市街地へ降りてくる”
次のような条件が重なると、市街地・住宅街にも出没しやすい。
● 大雨・土砂災害で山のエサが減る
● 河川氾濫で生息域が流される
● 地震で地形が変わり、移動する
● 夜間の静けさで人間を避けやすくなる
災害発生後の1〜2週間は遭遇リスクが特に高い。
■② もし遭遇したら絶対にやってはいけない行動
イノシシは“逃げようとすると追う”性質がある。
パニックは最も危険。
● 背を向けて走って逃げない
● フラッシュ撮影・大声で刺激しない
● 近距離で子どもを抱き上げない
● 持ち物を投げて刺激しない
イノシシは予測不能で俊敏。距離を保つことが最優先。
■③ 正しい対処法:ゆっくり後退し、遮蔽物を確保
遭遇したら、次の行動が基本。
● 目を合わせすぎず、ゆっくり後ずさる
● 車・壁・電柱など“固い障害物”を間に入れる
● 建物内・車内に避難
● 子どもは大人の後ろに隠す
イノシシは方向転換が苦手。
段差や溝のある場所へ誘導すると危険が減る。
■④ 住宅街での“予防策”も立派な防災
災害後は自宅周辺の環境も変わる。
次のポイントは家族全員で共有しておきたい。
● ゴミ置き場を荒らされないよう管理する
● ペットフードを外に置かない
● 裏庭・畑の残渣を放置しない
● 夜間や早朝の見通しが悪い道路は避ける
● 通学路の出没情報を随時確認
イノシシは“食べ物の匂い”と“静けさ”に引き寄せられる。
■⑤ 車で遭遇した場合の注意点
車内でも油断は禁物。
● 近づきすぎない(体当たりされる危険)
● クラクションをむやみに鳴らさない(興奮させる)
● ゆっくり距離をとってその場を離れる
● 親子連れのイノシシは特に危険
物損事故より、相手を刺激しないことが最優先。
■⑥ 子ども・高齢者は“逃げない訓練”が重要
イノシシ被害の多くは「走って逃げた」ことが原因。
特に子どもはパニックで走りがち。
● もし出会ったら、走らず大人の後ろへ
● 学校・通学路で出没情報の共有
● 近所で見かけたらLINE・自治体の防災アプリで共有
“逃げない”は立派な命の守り方。
■まとめ|野生動物リスクも“災害の一部”
防災というと地震や豪雨ばかりに目が行きがちだが、
災害後の野生動物出没リスクも確実に高まる。
● 災害後は市街地への侵入が増える
● 刺激しない・走って逃げないが鉄則
● 自宅周辺の管理が遭遇予防になる
● 車・徒歩どちらでも“距離を取る”が最優先
災害後に起きる“二次リスク”として、イノシシ対策も家庭の防災に組み込んでおくことが、安全につながる。

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