【防災士が解説】防災×イノシシ②|通学路・住宅街・公園で“出没時に守るべき行動”

イノシシは地震・豪雨・台風などで山の環境が荒れると、市街地や住宅街、公園まで出没することがある。
特に子どもの通学路や遊び場は遭遇リスクが高く、家庭での防災として必ず知っておきたいテーマ。

ここでは「身近な生活圏にイノシシが出た場合の防災行動」を分かりやすく解説する。


■① 通学路で出没したときの“正しい行動”

子どもの事故の多くは「走って逃げた」ことが原因。

● 絶対に走らない
● 大声を出さない
● その場で立ち止まり、ゆっくり後退
● 電柱・ガードレールの裏に避難
● 近くの家や店に入る

学校や地域で「イノシシ出没情報」が出たときは、別ルートの通学も検討する。


■② 公園・グラウンドに出た場合

遊具・草むら・水辺はイノシシの休息場所になることがある。

● 茂みに近づかない
● ボールや遊具を取りに行かない
● 見つけても近くの建物へ避難
● 複数頭・子連れは特に危険

夏〜秋はエサを求めて行動範囲が広がるため、遭遇リスクが上がる。


■③ 住宅街で遭遇したら距離をとるのがすべて

住宅街は逃げ場の少ない“密閉空間”のため危険度が高い。

● 5〜10メートル以上の距離を確保
● 壁・車・フェンスなどを遮蔽物にする
● 家の中に避難する
● ゴミ置き場には近づかない(エサ場認識される)

イノシシは身軽で突破力が高く、簡単に突進してくるため接触は絶対避けたい。


■④ 夜の帰宅・散歩はリスクが上がる

イノシシは夜行性のため、暗い時間帯は遭遇しやすい。

● 懐中電灯で足元と前方を照らす
● イヤホンを外して周囲の音を把握
● 歩くルートを明るい道に変更
● 住宅街の草むらや空き地は避ける

災害後は特に明かりが少なく、遭遇しても気づきにくい。


■⑤ イノシシは“人間を避ける動物”だが、例外がある

基本的には人を避けるが、次の場合は危険。

● 子どもを守ろうとする“親イノシシ”
● エサ不足で攻撃的になる
● ペットを連れている場合(犬に反応しやすい)
● 追い詰められた状態
● 驚かされたとき

刺激しない・距離をとるが最優先。


■⑥ 家庭でできる“遭遇予防の防災”

日常の工夫が、被害を大幅に減らす。

● ゴミは前日夜に出さない
● 畑・家庭菜園の残渣を放置しない
● ペットフードを外に置かない
● 子どもに「走らない」「近づかない」を教える
● 出没情報を家族LINEに共有

地域の見守りが強いほど、イノシシ被害は減る。


■⑦ 学校・自治体の情報は必ずチェック

災害後は自治体が緊急情報を発信することが多い。

● 学校のメール配信
● 自治体防災アプリ
● 近所の防災無線
● 地域のLINEグループ

野生動物情報は災害情報と同じく“命に関わる情報”。


■まとめ|“日常空間の危険”も防災の一部

イノシシは山奥だけの存在ではなく、災害によって生活圏に現れることがある。
そのため、家庭での防災計画にも「野生動物リスク」を組み込むことが重要。

● 子どもは絶対に走って逃げない
● 住宅街・公園・通学路でも遭遇可能
● 夜間はリスクが高く、明かりと音の確認が必須
● 家庭と地域の対策が“遭遇ゼロ”につながる

いつもの生活ルートで起こり得る危険を知ることが、命を守る最初の防災になる。

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