【防災士が解説】防災×イノシシ③|“絶対にやってはいけない行動”と正しい対処法

イノシシは地震・大雨などで山の環境が変わると、市街地・住宅街・通学路にも出没する。
遭遇したときに最も大切なのは「やってはいけない行動」を知っておくこと。
誤った行動は、イノシシの突進・攻撃を誘発し、重大事故につながる。

ここでは、命を守るための“NG行動”と“正しい対処法”を解説する。


■① 絶対にやってはいけない行動

イノシシ被害の多くは「人間の行動がトリガー」になっている。

●① 走って逃げる

イノシシは時速40kmで走る。
背中を見せた瞬間に突進を受ける危険が高まる。

●② 大声を出して驚かせる

驚いたイノシシは、防衛本能で攻撃的になる。

●③ スマホで撮影しながら接近

撮影が原因で距離を詰め、突進されるケースが多い。

●④ 子どもを抱えて走る

転倒し、より危険。まずは建物・車に避難させる。

●⑤ 犬を近づける

犬に反応し、突進するリスクが急上昇。


■② 正しい対処法:基本は“距離を保つ”

イノシシに遭遇したら、行動は非常にシンプル。

● その場で立ち止まる
● イノシシの方向を見ながら後退
● 近くの建物・車・高い段差のある場所へ避難
● 壁・電柱・フェンスなどを遮蔽物にする
● 絶対に背中を向けない

落ち着いて距離を取ることが、最も安全な対応。


■③ 子連れ・ベビーカーの場合

子どもがいると行動が遅れやすい。

● 子どもを抱えず、手をつないで後退
● 先に安全な方向へ誘導
● ベビーカーは押して逃げず、建物に避難

“子どもを守ろうとして走る”行動が最も危険。


■④ イノシシが突進してきたら?

突進は一瞬で距離が縮まるため、回避が難しい。
しかし、次の対応が被害を最小限にする。

● 電柱・ガードレール・車の影に避難
● 高い段差の上に移動
● 物を投げたり刺激したりしない

イノシシは一直線に突進しやすいため、遮蔽物で“方向をずらす”のが有効。


■⑤ 住宅街・庭先で遭遇するケースが増えている

災害後や冬は特に、都市部の住宅街に頻繁に出る。

● ゴミを夜に出さない
● 生ゴミを放置しない
● ペットフードを外に置かない
● 畑・家庭菜園の残渣を片付ける

「家の周りにエサがある」と認識されると、繰り返し出没する。


■⑥ イノシシが“立ち去らない”ときの対応

動かない場合は、次の理由がある。

● 子イノシシが近くにいる
● エサを見つけた
● 人に気づいていない
● 逃げ道がない(追い詰められている)

この場合は、刺激せずに建物へ避難し、
自治体・警察・猟友会に通報する。


■⑦ 災害後は出没が急増する理由

災害時はイノシシの行動範囲が大きく変わる。

● 洪水でエサが流される
● 斜面崩壊で住処が失われる
● 夜間停電で街が暗くなる
● 建物被害で人が少なくなる

“環境の変化=出没増加”と覚えておくと安全。


■まとめ|イノシシ対策は“人の行動”がすべてを決める

イノシシに遭遇したとき、命を守る鍵はこれ。

● 走らない・近づかない・撮影しない
● 落ち着いて距離を取って後退
● 遮蔽物や建物へ避難
● 犬や子どもを近づけない
● 家の周りの“エサ要因”をなくす

イノシシは“人間を攻撃したいわけではない”。
刺激しない・距離を保つ。
この2点だけで、8割の事故は防げる。

災害時こそ、野生動物への理解と行動が家族の命を守る。

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