【防災士が解説】防災×イノシシ⑤|“子ども・高齢者を守るためのイノシシ安全対策”

イノシシ被害が増えている背景には、災害・気候変動・都市部の拡大など複数の要因がある。
特に被害を受けやすいのが「子ども」と「高齢者」。
判断が遅れたり、行動が制限されやすいため、家族として事前の備えが重要になる。

ここでは、家庭で取り組める“年齢別イノシシ対策”をわかりやすく解説する。


■① 子どもがやりがちな“危険行動”を知っておく

子どもはイノシシに遭遇しても、以下の行動を取りやすい。

● 走って逃げる
● 興味本位で近づく
● 「かわいい」と感じて近寄る
● スマホやタブレットで撮ろうとする

これらはすべて突進の引き金になる。
事前に「イノシシは危険」「静かにゆっくり離れる」と教えておくことが命を守る。


■② 子ども向けの“超シンプルなルール”

安全に行動するために、次の3つの合言葉がおすすめ。

● 見たら近づかない
● 静かにゆっくり下がる
● 大人のそばへ行く

一度覚えると、パニックを起こしにくくなる。


■③ 通学路は“イノシシ危険ポイント”を確認しておく

通学中の遭遇が全国で増えている。

● 山沿いの道
● 草むら・空き地
● 放置竹林
● 畑や家庭菜園
● ゴミ置き場が荒れている場所

地図を見ながら「危ない場所」と「安全な避難先(コンビニ・公共施設)」を確認しておくことが重要。


■④ 高齢者が被害に遭いやすい理由

高齢者のイノシシ事故は、以下の傾向がある。

● 足が悪くて逃げにくい
● 補聴器や視力低下で気づくのが遅い
● 農作業中に遭遇しやすい
● 近づきすぎてしまう(距離感の誤認)

そのため、家族が“先に環境を整える”ことが事故防止につながる。


■⑤ 高齢者のために家族ができる具体的対策

● 家の周りの草刈り・生ゴミ管理をサポート
● 夜間外出は可能な限り控える
● 道路の暗い場所にはライトを設置
● スマホが苦手なら、防災ラジオを準備
● 農作業の時間を昼間に限定

環境整備ができると、出没リスクが大幅に減る。


■⑥ 万が一に備えた“家族連携”

遭遇してもパニックにならないために、
家族間で次の3点だけ共有しておくと強い。

● 遭遇したら「静かに下がる」
● 建物・車に避難する
● 連絡手段(スマホ・LINE・家族グループ)

特に子どもには「大人にすぐ連絡」が重要。


■⑦ 災害発生後は、出没リスクが“3倍以上”になる理由

● 大雨で餌が流れ、街に降りてくる
● 地震で住処が崩れ、移動範囲が広がる
● 停電で街が暗くなり、活動しやすくなる

家族で外出する機会が増える避難生活では、
イノシシ対策は感染症対策や火災対策と同じくらい重要になる。


■まとめ|家族の安全は“事前の共有”で守れる

子ども・高齢者を守るポイントは次のとおり。

● 「近づかない・走らない・撮らない」を家族全員で共有
● 通学路・買い物ルートの危険ポイントを把握
● 家の周りを“イノシシが寄りつかない環境”にする
● 災害後は特に外出の時間帯に注意

イノシシ対策は、知識と準備でほとんどの事故を防げる。
家族の命を守るために、今日からできる対策をひとつずつ取り入れてほしい。

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