【防災士が解説】防災×宮崎県の避難の難しさ|“海・山・川”に囲まれた土地で生き残る行動戦略

宮崎県は自然が豊かで住みやすい一方、
防災の視点では「逃げる方向の選択が難しい県」でもある。
海・山・川が生活圏に密接しているため、災害時は“どこへ逃げるか”で生死が分かれる。

ここでは、宮崎県の避難の難しさと、取るべき行動を分かりやすく解説する。


■① 海沿いは“津波”・内陸は“土砂災害”のジレンマがある

宮崎市・日南市・串間市のような沿岸部は、

● 津波が早く到達
● 平野部が広い
● 高台まで距離がある

という特徴がある。

一方で、内陸側に逃げると山が迫り、

● 土砂災害警戒区域
● 落石・倒木のリスク
● 豪雨時に道路が寸断

という別の危険がある。

「海から離れる」=安全、ではないのが宮崎の難しさ。


■② 主要道路が限られ“逃げる車が集中しやすい”

宮崎は南北に長く、東西を結ぶ道路が少ない。

● 10号線
● 220号線
● 269号線

これらに車が集中するため、
災害時の渋滞は県外より深刻になりやすい。

地元住民ほど“徒歩避難”の判断力が鍵になる。


■③ 大淀川など大河川が市街地を横断=浸水で分断されやすい

宮崎市の中心を流れる大淀川は、
豪雨時に以下のような状況になりやすい。

● 橋が通行止め
● 川沿いが冠水し道路が封鎖
● 南北移動が非常に困難に

市街地全体が“東西で分断される”ことがある。

避難先を“川の向こう”に設定してはいけない。


■④ 海沿いの観光地・住宅地は“逃げ場の高さ”が不足

青島・日南海岸・サーフスポット周辺などは、

● 海抜が低い
● 逃げ場の高台が遠い
● 観光客が多く混乱しやすい

という問題がある。

津波の際は、

建物への“垂直避難”が最優先。

平地を走って逃げようとすると間に合わない可能性がある。


■⑤ 夜間豪雨は“家の周囲の危険”が見えない

宮崎は線状降水帯が発生しやすく、
深夜に発生することも多い。

夜間は、

● 川の水位がわからない
● 土砂崩れが見えない
● 道路冠水の深さも判断不能

視界ゼロで動くのは命の危険。

夜中の避難は“早めの判断”が最も重要。


■⑥ “海も山も近い”からこそ必要な避難戦略

宮崎県民が必ず整えておくべき避難ルールは以下。

●① 海抜3m以下の地域

即・垂直避難できる建物を把握。

●② 川の近く・低地

橋を渡らずに行ける避難所を確認。

●③ 山沿い

大雨警報の段階で屋内安全確保か早期避難。

この3つの対応だけで、一気に生存率が上がる。


■⑦ 宮崎県は“在宅避難力”が生死を左右する

宮崎は、

● 停電が長期化しやすい
● 道路寸断で救援が遅れる
● 店舗の在庫復旧が遅れる

という特徴があるため、

最低3〜7日間の在宅避難が前提。

カセットガス・水・簡易トイレは必須の備え。


■まとめ|宮崎は“逃げる方向”を間違えると危険が倍増する

宮崎県の避難の難しさは次の通り。

● 海→津波
● 山→土砂崩れ
● 川→氾濫・分断
● 道路→渋滞
● 夜間→視界ゼロで危険

この“5つの落とし穴”を知るだけで、
災害時の対応は確実に変わる。

宮崎は美しく暮らしやすい県だからこそ、
「逃げ方」を準備しておくことが最大の防災になる。

今日、自宅周辺の
海抜・避難所・高台・橋の位置
を確認しておけば、災害への強さは一段と上がる。

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