【防災士が解説】防災×宮崎県|“台風の通り道”で備えが生死を左右する理由

宮崎県は「台風銀座」と呼ばれるほど、
台風の通り道になりやすい地域。
そのうえ海・山・川のすべてが生活圏と密接しており、
ひとつの災害が連鎖しやすいという特徴がある。

ここでは、宮崎県で台風への備えが必須な理由と、
今日からできる防災対策を分かりやすく解説する。


■① 台風の進路と地形が“暴風被害”を大きくする

宮崎県は、台風が接近すると
南からの湿った風が入りやすく、

● 建物の風圧が強まる
● 倒木・飛来物が増える
● サーフスポット周辺で高波が発生

といった状況になりやすい。

特に海沿いは、
風速30〜40mの暴風が吹き抜ける構造
になっているため、窓ガラス対策は必須。


■② 台風×線状降水帯で“豪雨被害”が重なりやすい

宮崎は“暖かい海”と“山地”に挟まれた県。
そのため、台風に伴う湿った空気が山にぶつかり、

● 集中的な豪雨
● 河川の急激な増水
● 土砂災害の発生

が起こりやすい。

特に九州南部は、
線状降水帯の発生率が全国でも高い地域。


■③ 大淀川・小丸川・広渡川など大河川が氾濫リスクあり

宮崎県は河川が多く、台風時には、

● 水位が急上昇
● 橋の通行止め
● 市街地が分断される
● 浸水が深夜に発生する

など、移動そのものが危険になる。

“川の向こう側”に避難先を設定しないこと。


■④ 海沿いの住宅地は避難方向が難しい

日向灘側は海が近く、
津波・高潮・高波のリスクが重なる。

● 青島
● 富土
● 日向サーフスポット
● 串間

こうした地域は、台風時に海沿い道路が通れなくなり、
逃げられる方向が限られる。

台風上陸前に早めの自主避難が最重要。


■⑤ 停電リスクが他県より“長期化”しやすい

宮崎は自然が豊か=倒木が多い県でもある。

台風で倒木が起きると、

● 電柱・電線が巻き込まれる
● 山間部から復旧に時間がかかる
● 大規模停電が1〜3日続くことも

カセットボンベ6本+ランタン+簡易コンロは必須。


■⑥ 避難行動で“車を過信”するのが最も危険

台風時の宮崎でのNG行動はこれ。

● 川沿いを車で走る
● 海沿いをドライブして様子を見る
● 暗くなってから避難する

海・川・道路がすべて危険化するため、
車はむしろリスクになる。

徒歩で行ける避難所を必ず1つ決めておくこと。


■⑦ 観光地・宿泊施設は“避難ルートの事前確認”が命を守る

宮崎は観光県。
旅行中に台風直撃するケースも多い。

ホテルに到着したら、

● 避難経路
● 非常口
● 近くの耐震構造の建物
● 海抜

だけは必ず確認しておく。

宿泊中の災害対応は、事前確認だけで8割決まる。


■まとめ|宮崎は“複合災害の県”。早めの行動こそ最強の防災

宮崎県の台風リスクには以下が重なる。

● 暴風
● 豪雨
● 河川氾濫
● 土砂災害
● 停電
● 道路寸断
● 高波・高潮

一つではなく、“複数同時に”起こるのが宮崎の難しさ。

だからこそ、

● 前日から備える
● 早めに避難する
● 車に頼りすぎない
● 在宅避難できる準備を整える

これが宮崎で生き残るための最強の行動になる。

今日、家族で「台風が来たらどこへ逃げる?」を
話しておくだけでも、防災力は大きく上がる。

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