【防災士が解説】防災×宮崎県|“地震・津波・台風・豪雨”が重なるリスクにどう備えるか

宮崎県は、日本でも珍しい
「巨大地震リスク × 津波リスク × 台風リスク × 豪雨リスク」
が同時に高い地域。
そのため、防災は“ひとつの災害だけ”では成立しない。

ここでは、宮崎県が直面する複合災害の特徴と、
県民が今日からできる現実的な備えをまとめる。


■① 南海トラフ地震では最大震度7が想定される

宮崎県は震源域に近く、全国でもトップレベルの揺れが想定される。

● 宮崎市・延岡市・日向市:震度6強〜7
● 古い住宅は倒壊リスク大
● 倒木・土砂崩れが同時多発

耐震対策・家具固定は“宮崎では義務レベル”。


■② 津波到達が非常に早い|10〜20分が勝負

宮崎沿岸は勾配が緩やかで、津波が一気に内陸へ。

● 日南〜串間:最短10分
● 日向・延岡:10〜20分
● 宮崎市:20〜30分

地震後に「様子を見る時間」は存在しない。

揺れが強かったら、ただちに高台・避難ビルへ。


■③ 河川津波が危険|川沿いの市街地ほど要注意

津波は海からだけでなく“川を逆流”して襲う。

宮崎県は特に河川が多い。

● 大淀川
● 小丸川
● 五ヶ瀬川
● 広渡川

内陸でも川沿いは津波被害を受ける可能性あり。


■④ 豪雨災害も全国上位

宮崎県は台風の進路になりやすく、
年間の降雨量も日本トップクラス。

● 河川氾濫
● 土砂災害
● 土石流
● 孤立集落の発生

特に日南・西米良・椎葉などは地形が急峻で危険性が高い。

“避難情報より前に逃げる文化”が必要な県。


■⑤ 台風の風・雨・高潮の複合災害

宮崎は太平洋に面し、台風の直撃が多い。

● 風速30〜40m級が普通
● 電柱倒壊・停電多発
● 背の高い建物ほど揺れやすい
● 高潮で沿岸部が浸水

窓ガラス対策(飛散防止フィルム・段ボール補強)は必須。


■⑥ 停電・断水の長期化が前提

宮崎は山地が多く、電力復旧が遅れやすい。

● 停電:数日〜1週間
● 断水:広域同時多発
● 物流ストップで物資不足

水4日以上、食料7日以上は標準備蓄。


■⑦ 広範囲で道路が寸断されやすい

南北に長い宮崎県は、道路が切れると移動不能に。

● 国道10号が寸断
● 山間部が孤立
● 海沿いの迂回不可

徒歩で行ける避難場所を必ず1つ以上把握しておくこと。


■⑧ 観光地(青島・日南海岸・高千穂)も要注意

観光客が多い地域では、災害時に“渋滞が致命傷”となる。

● 高千穂峡は土砂災害・道路寸断リスク
● 日南海岸は津波逃げ道が少ない
● 青島は観光客集中時に避難が停滞

地元民は渋滞を避ける“裏ルート”を確認しておくと生存率が上がる。


■⑨ 高齢者・子どもの避難行動が難しい

宮崎は高齢化率が高い。
南海トラフでは“事前避難”が最重要。

● 要支援者は家族で事前打ち合わせ
● 夜間の地震を想定
● 階段避難ルートを確認

避難計画は“昼と夜”で2種類作るのがベスト。


■⑩ 宮崎県民が今日できる“最強の5点セット”

これだけやれば命の確率は大きく上がる。

① 家具固定・耐震対策
② 高台・避難ビルの場所を家族全員が共有
③ 水4日分以上・食料7日分以上
④ 停電用ライト(ランタン)2つ+モバイルバッテリー
⑤ 夜間避難を想定した靴・手袋・ヘッドライトを準備


■まとめ|宮崎県の防災は“複合災害”を前提に

宮崎は、
地震・津波・豪雨・台風・停電・道路寸断
がセットで起こる地域。

だからこそ必要なのは、

● とにかく早く逃げる文化
● 家庭の防災力を高める
● 備蓄のレベルを1段階上げる
● 夜間避難を想定する
● 高台を必ず把握しておく

これがあるだけで、家族の生存率は圧倒的に上がる。

毎日の防災行動が、
宮崎県で生き抜く“最強のライフライン”になる。

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