【防災士が解説】防災×福岡県③|“地震に弱い福岡”で今すぐ見直すべき安全対策

福岡県は「豪雨が多い県」という印象が強いが、
実は “地震への備えが遅れやすい県” でもある。
2005年の福岡西方沖地震では、
都市部の脆弱性と「地震に慣れていない地域特性」が大きく露呈した。

ここでは、福岡県民が地震に備えるために必ず押さえておくべき対策をまとめる。


■① 福岡は“地震が少ない地域”ゆえに油断しやすい

福岡県は日本全体と比べて地震回数が少ないため、
危機意識が下がりやすい。

● 揺れに不慣れ
● 家具固定が甘い
● 地震対応のルールが家庭で共有されていない
● 古い住宅の耐震化が進みにくい

「揺れが少ない=安全」ではない。
むしろ、油断こそ最大のリスクになる。


■② 福岡は“直下型地震”の潜在リスクが高い

福岡県には、活断層がいくつも存在している。

● 警固断層(福岡市直下)
● 行橋断層帯
● 日向灘地震の影響
● 九州北部の複数断層

福岡市中心部で震度6強が起きても不思議ではない。

都市部に人口が集中している分、被害も大きくなる。


■③ 福岡西方沖地震の“再現性”を忘れない

2005年の地震では、都市型地震の怖さが露わになった。

● 古いブロック塀の倒壊
● 老朽家屋の一部崩壊
● 津波注意報
● ライフライン停止
● 博多湾周辺での揺れやすさ

地震に慣れていない地域だからこそ、準備が必要。


■④ 家具固定は“福岡県で最優先の地震対策”

地震時のケガの多くは、家具の転倒・落下。

● 食器棚
● タンス
● 本棚
● 冷蔵庫
● テレビ

L字金具・突っ張り棒・耐震マットを必ず使う。

福岡県は地震頻度が少ないため、
家具固定をしていない家庭が非常に多いが、
これは“命に関わるレベルのリスク”となる。


■⑤ マンションは“高層階ほど揺れる”ことを知る

福岡市中心部のタワーマンションは増え続けているが、
高層階は地震時に大きく揺れ、エレベーターも止まりやすい。

● 長周期地震動
● エレベーター停止
● 物が大きく移動する
● ガラスの破損リスク

高層階住民は“自宅待機の備蓄”が命を守る。

水・食品・トイレなど、在宅避難セットを必ず確保する。


■⑥ 古い住宅の耐震化が遅れやすいのが福岡の課題

特に次のエリアは古い木造住宅が多い。

● 博多区住宅街
● 南区の旧家並み
● 北九州の古い住宅地
● 久留米・柳川の古民家

「耐震診断」「耐震リフォーム」の補助制度を利用すべき。

市町村が助成金を出しているので、
費用負担を大幅に軽減できる。


■⑦ 地震×豪雨×液状化の“複合災害”に注意

福岡県は海沿いの埋立地が多く、液状化リスクも存在する。

● 博多埠頭周辺
● 香椎エリア
● 小倉港湾エリア
● 工業地帯の埋立地

地震→液状化→断水
という流れを想定して備蓄量を増やしておくことが重要。


■⑧ 地震後の“火災”が最大の脅威になる可能性

地震直後は火災が多発しやすい。

● 通電火災
● 漏電
● ガス漏れ
● 倒壊物による火花

停電復旧時の「ブレーカーOFF」が命を守る。

避難前にブレーカーを落とす習慣を、家族全員に徹底する。


■⑨ 子どもや高齢者の安全確保が難しい地域特性

地震が起きた瞬間、次の弱点が露わになる。

● 高齢者の転倒
● 子どもの避難判断の遅れ
● 店舗・学校からの帰宅困難
● 都市部の混雑による二次被害

家族ごとの“地震行動マニュアル”を作っておくべき。


■まとめ|“豪雨だけに強い”福岡では命は守れない

福岡県の地震対策は、次の3つが最重要。

● 家具固定の徹底
● 高層住宅の在宅避難セット確保
● 地震直後の火災対策(ブレーカーOFF習慣)

地震リスクに気づきにくい福岡だからこそ、
準備した家庭だけが確実に守られる。

今日からできる対策をひとつずつ行い、
地震にも豪雨にも強い“二刀流の防災力”を身につけてほしい。

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