【防災士が解説】防災×大分県⑤|“温泉県の地震・停電・水害”から家族を守る実践ガイド

大分県は「温泉」「火山」「海」「山」が近距離に集まる全国でも珍しい地形。
その魅力の裏側には、 地震・豪雨・津波・土砂災害・インフラ障害 が連動しやすいという特徴がある。

ここでは、大分県に住む家庭が“今日からできる実践的な防災”をプロ目線でまとめる。


■① 大分県は“揺れやすい地形”をしている

大分県は火山帯の真上にあり、地盤が複雑。
特に以下の地域は地震で揺れが増幅しやすい。

● 別府湾沿岸(軟弱地盤)
● 大分市中心部
● 日田・玖珠の盆地
● 由布・九重の火山地帯

地震の体感が強く感じやすく、家具固定は必須。
特にマンション上層階は揺れが倍増する。


■② 停電しやすい地域が多い

大分は山と海が近いため、電力網が“点”でつながる場所が多い。

● 台風で電線が倒れる
● 山間部で倒木が多い
● 海沿いは潮風で設備劣化が早い

大規模停電が起きた場合、復旧に時間がかかりやすい。

家庭は“48時間の停電を前提”に準備しておくべき。


■③ 温泉地ならではの“熱インフラリスク”

大分は日本屈指の温泉地。
しかし温泉パイプや蒸気管が地下に多いため…

● 地盤が弱くなる
● 地震で配管破裂 → 引火のリスク
● 地表の陥没
● 温泉街の路地が狭く消防が入りにくい

温泉街は「地震×火災」の複合災害に要注意。

住民は消火器の位置を必ず確認しておくこと。


■④ 海沿いエリアは“津波・高潮・浸水”がセット

特に危険度が高いのは以下の地域。

● 別府
● 大分市沿岸部
● 臼杵
● 津久見
● 佐伯

これらの地域は…

● 津波
● 台風の高潮
● 大雨で河川合流部が氾濫
● 内水氾濫(市街地浸水)

が連動しやすい。

標高5m以下の地域は、夜間の避難判断を家族で事前に決めるべき。


■⑤ 山間部は“孤立リスク”が高い

玖珠・九重・由布・竹田・豊後大野など山が多い地域は…

● 道路陥落で孤立
● 停電長期化
● 食料・水が届かない

山間部に住む家庭は“1週間備蓄”が大分の標準。

特に“水”は1人1日3〜4Lで計算する。


■⑥ 大分県民のための“必須の備え”

大分の地形と災害特性を踏まえると、次の3つが命を守る。


① 地震+停電対策(県全域)

● モバイルバッテリー
● ランタン
● スマホの緊急地震速報ON
● 家具固定
● 懐中電灯は“枕元に固定”


② 海沿いエリアの避難対策

● 標高マップ(国土地理院)を家族で共有
● 車のガソリンは常に半分以上
● 夜間は早めに避難
● 高台ルートを2つ確保


③ 山間部の孤立対策

● カセットコンロ+ボンベ12本
● 水21〜28L(家族3人なら60〜80L)
● 非常用トイレ
● 食料1週間分
● 車内に毛布・ライト常備


■⑦ 大分県は“観光地の混乱”も想定すべき

大分は年間を通じて観光客が多い。

● 温泉街
● 別府公園
● 由布院
● 城下町の狭い道路

地震・水害時に混雑が起きると…

● 避難が遅れる
● 車が動かなくなる
● 消防・救急が入れない

観光地周辺に住む家庭は徒歩避難が最適。


■まとめ|大分県は“複合災害に備える家庭”が最も強い

大分の防災は、他県よりも“組み合わせ災害”が多い。

● 地震 × 温泉インフラ
● 豪雨 × 山間部の孤立
● 津波 × 都市浸水
● 停電 × 長期化
● 観光地 × 混雑

だからこそ、大分県民は次の3つが最強の防災になる。

● 標高を知る
● 停電に強くなる
● 1週間備蓄を整える

大分県は“災害に強い暮らし”がそのまま“安心した生活”につながる。
今日ひとつ備えを増やすだけで、家族を守る力が大きく変わる。

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