【防災士が解説】防災×能登半島|“教訓だらけの半島災害”から学ぶべきリアルな備え

能登半島は、日本でも屈指の“災害リスクが複合する地域”だ。
地震・津波・土砂災害・孤立・停電・断水──これらが同時多発的に起こりやすい地形と生活環境にある。

能登半島地震で明らかになった「本当に必要な防災」は、全国どこに住んでいても役立つ。
ここでは、能登半島が示した災害の特徴と、私たちが備えるべきポイントをまとめる。


■① “半島特有の孤立”は最初の大問題になる

能登半島の被災では、まず道路寸断が広範囲で起き、集落ごと孤立した。

● 津波で海岸道路が破壊
● 崖崩れで主要道路が封鎖
● 陸の孤島化
● ドローン・船以外は近づけない地区も多数

物資が届かない・救援が来ない “時間差の被害” が発生する地域は全国にある。

山間部・半島・島嶼部に住む家庭は“3日ではなく7日以上の備蓄”が必須。


■② “家が倒れない=安全”ではない

能登半島では、倒壊しなかった家屋でも居住が困難になるケースが多発した。

● 基礎のずれ
● 傾き
● 配管破損
● 床下浸水
● ガス漏れ

見た目が無事でも “住めない家” になる。

建築基準適合でも、地盤の液状化や傾きは防げない。
住宅の防災対策は「耐震×地盤×ライフライン」の三位一体が必要。


■③ とにかく“断水”が長期化する

能登半島の大きな教訓のひとつが 広域・長期の断水

● 1〜3ヶ月以上続いた地域も
● 道路寸断で復旧作業が進まない
● 給水車は来ても行列が常態化
● トイレ・入浴が最大のストレスに

▶ 水備蓄は“最低9L×1週間分”が基本。
▶ さらに 簡易トイレ 100回分以上 が現実的な量。


■④ 避難所の“暖房不足・物資不足”が深刻

能登半島地震では冬季の被災。

● 暖房が弱い
● 断水で洗えない
● 下着・靴下などの消耗品が不足
● 電気毛布・カイロが足りない
● 妊婦・高齢者への配慮物資が不足

個人で“冬の非常用セット”を持つ重要性が実証された。

● ダウン
● 靴下3足
● 毛布
● カイロ
● 水なしシャンプー
● ウェットティッシュ
● 簡易トイレ

これらは全世帯常備レベルの必需品。


■⑤ 外部支援は“来ない時間”を想定すべき

半島や山間部では“数日〜1週間”支援が届かない前提で動く必要がある。

● 消防・警察・自衛隊が入れない地区が多かった
● 道路が塞がり、バックホーも入れない
● 救急搬送も不可能な場所が多数

自助(家庭)+共助(集落)の力が最大の命綱。

隣近所のつながりは非常に強い防災力となる。


■⑥ “通信障害”が家族の安否確認を困難にさせた

能登では基地局の倒壊・停電で通信が広範囲に途絶。

● 連絡がつかない
● SNSが使えない
● 地図アプリも開けない
● ドライブレコーダーも使えない

スターリンク・予備スマホ・モバイルバッテリーは現代の必須防災装備。

特に家族が遠方にいる場合は重要。


■⑦ “地震→津波→倒壊→孤立”が同時に発生する

能登半島の特徴は、災害が“一つでは終わらない”こと。

● 強い揺れ
● 津波警報
● 崖崩れ
● 液状化
● 建物倒壊
● 孤立
● 断水
● 停電
● 冬の寒さ

複合災害への備えが必要。

「避難所が使えない場合」の在宅避難スキルも必須。


■⑧ 半島災害の最大の教訓=“自宅周辺で生き延びる力”

能登半島の被災者の多くが「在宅避難」で生活を続けた。
理由は、避難所までの道が崩れ、家から動けなかったため。

在宅避難では次が重要。

● 水の管理
● 簡易トイレ
● カセットコンロ
● 物資の棚卸し
● 近隣住民との連携
● 暖房の確保

“家をキャンプ化”できるスキルが、生存率を高める。


■まとめ|能登半島の教訓は“全国に共通する防災の答え”

能登は特別な地域ではない。
日本の多くの地方都市は、同じリスク構造を抱えている。

能登半島から学ぶべきポイントは次の5つ。

● 半島・山間部・地方は“孤立”が起きる
● 断水は数週間〜数ヶ月続く想定が必要
● 道路寸断で支援は遅れる
● 在宅避難スキルが生存率を左右する
● 近所とのつながりが最大の武器

能登の経験は、全国の家庭にとって“未来の防災教科書”。
今日できる一つの備えが、家族の命を大きく守ってくれる。

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