冬になると毎年発生する「凍結トラブル」。
しかし多くの家庭では、停電・断水・雪害に比べ“軽く見られがち”だ。
実際は、凍結は重大な生活被害を引き起こす「冬の災害」であり、
放置すると数万円〜数十万円規模の損失にもつながる。
ここでは、家庭が知っておくべき 冬の凍結リスクと正しい備え をまとめる。
■① 水道凍結は“破裂”につながる
外気温が −4℃前後 になると、一気に凍結リスクが高まる。
最も危険なのは「凍ったまま放置する」こと。
● 水が膨張して管が破裂
● 破裂後に解凍すると大量の水漏れ
● 2階以上では階下の部屋まで浸水
● 修理費・原状回復費が高額化
▶ 最低限やるべき対策
● 就寝前に蛇口を“糸のように細く”出す
● 屋外の水道管にタオルや保温材を巻く
● 凍結しやすい北側の蛇口に特に注意
■② 給湯器・エコキュートも凍る
特に深刻なのは給湯器周りの凍結。
● お湯が出ない
● 配管が破裂
● 修理まで数日かかるケースも
給湯器は外に設置されているため冷え込みの影響を受けやすい。
▶ 対策
● 電源は入れたまま
● 保温カバーを早めに追加
● 吹きさらしの場所は段ボールで囲う
■③ 路面の“ブラックアイスバーン”が最も危険
凍結による冬の事故の大半は道路。
● 表面が濡れているように見えて実は凍結
● 夜明け前・日没後が最も危険
● 交差点・橋・坂道の事故率が特に高い
▶ 歩行時の防災ポイント
● 小刻み歩行
● 手はポケットに入れない
● 靴底は滑り止め付き
● 転倒時は“受け身”より頭を守る意識
▶ 車の防災ポイント
● スタッドレスタイヤは必須
● 急加速・急ハンドル禁止
● ブレーキは早め
● 運転が不安なら“乗らない”が最強防災
■④ 玄関・ベランダ・階段の転倒事故
家の周囲も凍結が多い。
● 玄関タイル
● ベランダの水たまり
● 外階段
● アパート共用部
滑って骨折するケースは非常に多い。
▶ 対策
● 夜のうちに塩・融雪剤を撒く
● 濡れた場所を拭き取る
● すり足で歩く
● 手すりをしっかり握る
■⑤ 車の窓が凍結する＝視界ゼロのまま走るのはNG
冬の朝によくあるトラブル。
● 解氷スプレー
● ぬるま湯（熱湯は絶対NG）
● デフロスター（暖房）の早めの使用
ＮG行動は「前が少し見えたら出発してしまうこと」。
視界不良での事故は毎年多発している。
■⑥ 室内の凍結＝“寝室の寒さ”が命に関わる
冬の寒波では、室内でも危険がある。
● 高齢者の低体温症
● 身体の硬直による転倒
● ヒートショック
● 暖房不足による健康被害
▶ 安全に温めるために
● 電気毛布
● 湯たんぽ
● カーテンの二重化
● 窓の断熱シート
● 足元の防寒
暖かい寝床づくりは冬の命を守る。
■⑦ 停電×寒波の“複合災害”に注意
大雪や凍結は停電を伴いやすい。
● 電気が止まる
● 暖房が使えない
● 給湯器が凍る
● 生活が一気に困難になる
▶ 停電に備える冬の防災
● カセットコンロ
● 毛布・寝袋
● モバイルバッテリー
● ランタン
● 断熱対策
■まとめ｜“冬の凍結”は自然に治るのを待つだけでは危険
冬の凍結は、生活を止め、事故を招き、
家の設備に高額な被害を与える“冬の災害”。
● 水道・給湯器の凍結
● 道路・玄関の転倒
● 車の事故
● 停電との複合災害
すべてに共通するのは
「早めの予防」こそ最大の防災 ということ。
冷え込みが予想される前日に少し準備するだけで、
被害の9割は防げる。
冬の災害から家族を守るために、今日から防寒対策を整えておこう。
コメント