冬の寒波が来ると必ず増えるのが「凍結による事故」。
特に早朝や夜間は、見た目では分からない“ブラックアイスバーン”が多発し、
歩行者、自転車、車のすべてに大きな危険が迫る。
ここでは、凍結した道路で命を守るための正しい行動を整理する。
■① ブラックアイスバーンは“ほぼ透明”で気づけない
路面が黒く濡れているように見えて、実は完全に凍結している状態。
特に事故が多い場所は以下の4つ。
● 橋・高架
● 日陰の道路
● 交差点
● 早朝や夜間の舗装路
見た目で判断しようとするのは危険。
“寒い＋濡れている場所＝凍っているかも”と考えるのが防災の基本。
■② 歩行者の事故を避けるには“歩き方”が重要
冬の転倒事故は骨折につながりやすい。
特に高齢者は要注意。
▶ 歩行時の安全ポイント
● 小刻みで歩幅を小さく
● 靴底は滑り止めの溝が深いもの
● ポケットに手を入れない（転倒時に受け身が取れない）
● リュックで荷物を背負う（手を空ける）
● タイル・マンホールの上は避ける
転倒の瞬間は“頭部を守る意識”が命を守る。
■③ 自転車は“乗らない判断”が最も安全
凍結路面での自転車は極めて危険。
● ブレーキが効かない
● カーブで簡単に横滑り
● 転倒時に骨折しやすい
▶ どうしても乗る場合の対策
● スピードを出さない
● サドルを少し低くして重心を下げる
● ハンドルは大きく切らない
● 凍結しやすい橋や日陰は押して歩く
冬は「自転車に乗らない日」を作るのも立派な防災行動。
■④ 車は“スタッドレス＋早めの減速”が絶対条件
冬の道路で起こる事故の多くは車によるもの。
凍結路面は乾燥路の 4倍以上 も制動距離が伸びる。
▶ 運転時の必須ポイント
● スタッドレスタイヤ or チェーンを必ず装着
● 車間距離は普段の3倍
● アクセルは一定に優しく
● ブレーキは“早めに・長く”
● 橋・坂道・交差点は特に慎重に
“急”がつく操作はすべて事故の原因になる。
■⑤ 朝の出発前に必ずやるべきこと
● 車の窓ガラスの凍結を完全に除去
● 解氷スプレー・スクレーパーを常備
● 温めた空気をフロントに当てるデフロスターを早めにON
● 屋根の雪を落としてから出発
視界不良での事故は毎年発生している。
「少し見えるから大丈夫」は冬の最大のNG行動。
■⑥ 凍結で動けなくなった時の“車内防災”
渋滞・立往生は毎年発生している。
冬の車内は命に関わる寒さになる。
▶ 車に備えておく防災セット
● 毛布・寝袋
● カイロ
● 水とおにぎり・ようかん
● モバイルバッテリー
● スコップ・長靴
● チェーン
● 反射材・非常信号灯
「車は避難所になる」と考えて備えるのが冬の鉄則。
■⑦ 家の周りも“凍結による事故多発エリア”
● 玄関タイル
● 階段
● ベランダの水たまり
● 駐車場のスロープ
特にタイルは滑りやすく、骨折事例が多い。
▶ 対策
● 前夜に融雪剤・塩を撒く
● 水気をしっかり拭き取る
● 滑りやすい靴を履かない
● 手すりを必ず持つ
■まとめ｜“凍結は静かに迫る災害”。気づいた時には遅い
冬の凍結は、地震や水害のように派手ではないが、
毎年必ず命に関わる事故を生む“季節災害” である。
● ブラックアイスバーン
● 転倒事故
● 車のスリップ
● 自転車の横滑り
● 車内の低体温
● 家周りの凍結事故
どれも「正しい知識」で大半を防げる。
冬は、
少し早く出る・少し慎重に動く・少し備える
この3つだけで“命が守れる季節”になる。
気温が下がる前に、今日からできる対策を整えておこう。
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