【防災士が解説】非常食×赤ちゃん|“乳児の命を守る備蓄”は大人とまったく違う

赤ちゃんの非常食は、大人の備蓄とはまったく別物。
災害時に必要なのは、
「安全に飲めるミルク」
「安心して食べられる離乳食」
「衛生を守るための必須アイテム」
この3つを確保できるかどうかだ。

ここでは、赤ちゃんの命を守るために、家庭で必ず用意してほしい“非常食の基本”をまとめる。


■① 赤ちゃんは“水質”で命が左右される

大人は多少不味い水でも飲めるが、
赤ちゃんは ミネラル量の多い水(硬水)を飲むと腎臓に負担 がかかり危険。

災害時は特に以下の対応が必須。

● ミネラルウォーター → 必ず「軟水」
● 開封後の水 → 24時間以内に使い切る
● 粉ミルク用の水は必ず加熱(原則70℃以上)

水の確保は、赤ちゃん家庭の最優先タスクだ。


■② 粉ミルクの備蓄は“最低1週間分”

粉ミルクは災害時の主食。
目安は 1週間分+予備

しかし…

● お湯が沸かせない
● 水が汚れている
● 衛生管理ができない

こんな状況だと、粉ミルクは実は扱いが難しい。


■③ 災害時最強は「液体ミルク」

避難所でも使いやすい“神アイテム”が液体ミルク。

★ 災害時のメリット

  • 調乳不要
  • お湯がいらない
  • 水が汚れていてもOK
  • 寝ながら飲ませられる
  • 夜中の避難でも安全

粉ミルク+液体ミルクの併用が、最強の災害対策。


■④ 哺乳瓶が洗えない問題の“答え”

断水時は哺乳瓶を洗えない。
そんなときに必須なのが…

✔ 使い捨て哺乳瓶

(袋タイプ・耐熱ポリエチレン製など)

これなら洗浄不要で衛生が守れる。


■⑤ 離乳食は“常温保存+パウチ”を中心に

赤ちゃん用非常食は、以下を揃えておけば安心。

● ベビーフードのパウチ(月齢別)
● バナナやゼリータイプ
● アレルギー対応食
● 赤ちゃん用せんべい
● 粉末だし・スープ

パウチは保存が効き、スプーン1つで食べられるので避難所向き。


■⑥ 赤ちゃんの非常食に必須の“衛生用品”

食事だけ備えてもダメ。
赤ちゃんはとにかく汚れやすく、感染に弱い。

以下は絶対に必要。

● おしりふき(大量)
● アルコールウエット
● 使い捨てマスク(大人用)
● 汚物袋
● 授乳ケープ
● 除菌スプレー
● 使い捨てエプロン

避難所では、衛生環境の悪化が一番のリスクになる。


■⑦ 災害時の「赤ちゃんの食事」で注意点5つ

  1. 大人の食品を与えない(塩分・添加物が多すぎる)
  2. 初めての食材を避ける(アレルギー発症の危険)
  3. ミルクの温度に気をつける
  4. 脱水に注意(経口補水液を準備)
  5. 食器は使い捨てが基本

普段以上に慎重に対応する必要がある。


■⑧ プロがすすめる“赤ちゃんの最重要セット”

最低限、これだけは揃えてほしい。

● 液体ミルク(1週間分)
● 粉ミルク(予備)
● 軟水ペットボトル(1週間分)
● 使い捨て哺乳瓶
● 月齢に合ったベビーフード
● 赤ちゃん用スプーン
● 哺乳瓶用の使い捨てパック
● おしりふき・ウェット
● 粉末経口補水液(OS-1など)

このセットは、避難所でも非常に喜ばれる。


■まとめ|赤ちゃんの非常食は「命を守る専門備蓄」

赤ちゃんは、
体が小さく、免疫が弱く、水質にも敏感。
そのため、大人の非常食とは完全に別管理が必要。

ポイントは次のとおり。

● ミルクは粉+液体の併用
● 使い捨て哺乳瓶で衛生確保
● パウチの離乳食を月齢別に
● 水は必ず“軟水”
● おしりふき・除菌用品は多めに準備

家庭に赤ちゃんがいるなら、
非常食を“赤ちゃん専用のセット”としてまとめておくのが最強の備え方。

あなたの備えが、災害時の赤ちゃんの命を守る。

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