【防災士が解説】防災×指定難病の非常食|“体調の急変を避けるための最適備蓄”

指定難病の方にとって、災害時の食事は「命を守る最重要ポイント」。
普段の食事と大きく違う物を食べると、急な体調悪化につながることもあるため、非常食は“個別最適化”が欠かせない。
ここでは、指定難病の方が本当に備えるべき非常食を、防災士の視点でわかりやすく解説する。


■① 持病に合わせた“個別対応の非常食”が必須

指定難病は種類が多く、必要な栄養・食形態が大きく違う。
そのため、万人向けではなく「自身の病状に合わせた非常食を選ぶ」ことが最重要。

● 低脂質が必要な疾患
● たんぱく質制限が必要な疾患
● 嚥下機能に不安がある疾患
● 食後の血糖値変動が問題になる疾患

医師・管理栄養士の指示を“そのまま非常食に反映”することが命を守る。


■② “いつもの食品”を非常食化するのが最も安全

災害時ほど、普段と同じ食事が安定をつくる。

● 普段食べている低脂質レトルト
● 常食のミキサー食・流動食
● 栄養補助食品(エネルギーゼリーなど)
● 小分けにできる栄養調整ゼリー
● 水溶きで食べられる粉末タイプの栄養食

これらをローリングストックにするだけで「突然の変更による体調悪化」を防げる。


■③ アレルギー・食事制限は“ラベル確認”が必須

非常時は代替食品が入手困難になる。
そのため、次を必ずチェックしてから備蓄する。

● アレルゲン表示
● たんぱく質量・脂質量
● 塩分量
● 添加物の有無
● 賞味期限

特に腎臓・肝臓系の疾患では、ほんの少しの“誤差”が体調に影響する。


■④ エネルギー確保のための“安全なお助け食品”

食欲が落ちる災害時でも食べやすく、短時間でエネルギー補給ができる非常食は強力な味方。

● エネルギーゼリー(ウイダーなど)
● 流動食パウチ
● カロリーメイトゼリー
● 常温保存可の栄養ドリンク
● 粉末栄養食(お湯・水で作れる)

指定難病の方は、固形物が食べられなくなる場面も想定されるため、
「噛まなくていい食品」を多めに備えると安心。


■⑤ 災害時は“薬と非常食”がセットで命を守る

非常食だけでなく、次のようなセット管理が重要。

● いつも飲んでいる薬(7〜14日分)
● 薬剤情報提供書(お薬手帳のコピー)
● 食事指導書
● 医師の診断書(食事・水分制限がある場合)
● 緊急連絡先

非常時は医師にすぐ相談できないため、
自分の食事制限を第三者が理解できる状態にしておくことが防災になる。


■⑥ おすすめ非常食(例)

指定難病は個別差が大きいため、あくまで“汎用性が高く安全性が高いもの”を紹介。

● ○○食品 低脂質レトルトシリーズ
● 明治 メイバランスMini
● 大塚製薬 カロリーメイトゼリー
● ハウス食品 やさしくラクケア(低たんぱく食品)
● 介護食・嚥下食レトルト(キューピー等)

※必ず自分の病状に合うものを、医師・管理栄養士と確認してから備蓄。


■まとめ|指定難病の非常食は「個別最適」が命を守る

災害時に安心して食事を取るためには、次が最重要。

● “普段食べている食品”を非常食化する
● 体調悪化を招く食材は絶対に避ける
● エネルギー補給できる流動食・ゼリー類は必須
● 医師の食事指示をそのまま備蓄に反映する
● 薬・食事情報・緊急連絡先をセットで保管する

指定難病のある人ほど、食事が健康のカギを握る。
だからこそ、非常食は“特別ではなく、普段の延長”で準備することが最大の防災になる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました