【防災士が解説】防災×アレルギー保持者の非常食|“命を守るための最重要備蓄ポイント”

食物アレルギーを持つ人にとって、災害時の食事は「命に直結する課題」。
避難所や支援物資はアレルギー対応が十分とは限らず、自力での備えが必須になる。
ここでは、アレルギー保持者に必要な非常食と備え方を、防災士の視点で分かりやすくまとめる。


■① 支援物資は“アレルギー非対応”が多い

避難所に届く食料は、万人向けであることが前提。
そのため、次のようなリスクがある。

● 小麦・卵・牛乳が含まれている
● ナッツ類が混入している
● 製造ラインがアレルギー対応でない
● 加工食品が多く原材料が複雑

アレルギー保持者は、支援物資に頼りすぎると危険で、
「自分専用の食料を持ち込む」ことが命を守る。


■② “普段食べている安全食品”を非常食化するのが基本

災害時は、普段と違う物を食べると体調不良につながる。
だからこそ、非常食は“食べ慣れた安全食品”が最強。

● アレルゲン不使用レトルト
● グルテンフリー食品
● 乳・卵不使用のお菓子やパン
● アレルギー対応カレー
● アレルギー専用パスタ
● スープの素(アレルギー配慮品)

日常の延長で備蓄しておくと、災害時も安心して食べられる。


■③ 原材料表示は絶対にチェックする

アレルギー保持者の非常食は“ラベル確認”が最重要。

● 特定原材料7品目
(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)
● 28品目の特定原材料に準ずるもの
● 製造ラインの共有表示
● 症状が出やすい添加物の有無
● 賞味期限

原材料は変更されることもあるため、
半年に一度チェックして入れ替えるのが安全。


■④ “緊急時にすぐ食べられる食品”を多めに

災害直後は調理できない可能性がある。

● アレルギー対応の栄養バー
● アレルギー対応クッキー
● そのまま飲める栄養ドリンク
● フリーズドライスープ(アレルゲンなし)
● 常温保存可能なアレルギー対応パン

水がない時を想定し、
火も水も使わない食品を1〜2日分確保しておくと安心。


■⑤ 加熱が必要な非常食も“アレルギー対応で”

避難生活が長引くと、温かい食事が重要になる。

● アレルギー対応レトルトカレー
● アレルギー対応パスタソース
● アレルギー対応雑炊
● グルテンフリー米粉麺

カセットコンロと水をセットで備えておくと、
体力の回復にも役立つ。


■⑥ 常備しておくと安心な“お助け食品”

非常時は食欲が落ちやすいため、
食べやすい食品も必ず入れておく。

● アレルギー対応ウエハース
● 米粉パンの缶詰
● アレルギー対応スープパウダー
● スポーツドリンク粉末(特定原材料不使用)

子どもがいる家庭では、“甘味のある食品”も心の安定に効果がある。


■⑦ 持病・薬とのセット管理が命を守る

アレルギー保持者は、以下も必ず一緒に防災セットへ。

● エピペン(使用期限を要確認)
● 抗ヒスタミン薬
● 発作時の対応手順書
● かかりつけ医の診断書
● 緊急連絡先カード

避難所での情報共有がスムーズになり、命を救う確率が高まる。


■⑧ おすすめの“アレルギー対応非常食”

(※例として汎用性の高いもののみ。自身のアレルゲンに必ず合わせること)

● 尾西食品 アレルギー対応ごはん
● 井村屋 えいようかん(アレルゲン27品目不使用)
● 米粉パン缶詰(アレルギー対応)
● アレルギー対応カレー(CO・OPなど)
● アレルギー対応クッキー(日清フーズなど)

※商品は必ず最新版の原材料を確認してから採用。


■まとめ|アレルギー保持者の非常食は“自衛の備蓄”が命を守る

アレルギーを持つ人は、次の備えが必須になる。

● 支援物資は基本的にアレルギー非対応
● 普段食べている“安全食品”を非常食化
● 原材料表示は必ず確認し、半年ごとに見直す
● 火・水なしで食べられる食品を多めに
● アレルギー薬・手順書・緊急連絡先をセット管理
● アレルギー対応食品をローリングストック

「自分の命は自分で守る」ための備蓄こそ、
アレルギー保持者の最重要防災になる。

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