災害時に最も重要なのは、
「状況評価(Situation Awareness=状況認識)」。
これは消防現場でも、航空機事故対応でも、警察・自衛隊でも、
生死を分ける最重要スキルとして扱われている。
状況評価とは、
“今どこで、何が起きていて、自分はどう行動すべきか”を瞬時に判断する力。
家庭防災でも、この力があるかないかで安全性が大きく変わる。
■① 状況評価とは?|“情報→理解→判断”の流れ
状況評価は、次の3段階で構成される。
① 情報収集(見て・聞いて・感じて状況をつかむ)
② 情報理解(事実から何が起きているかを推測する)
③ 未来予測(このあと何が起きるかを読む)
現場ではこれを「OODA(ウーダ)ループ」として活用する。
● Observe(観察)
● Orient(状況把握)
● Decide(決める)
● Act(行動する)
正しい状況評価ができれば、行動のミスが劇的に減る。
■② 災害時の失敗例は “状況評価の欠如” が原因
多くの事故・被害の背景には、
「正しく判断できなかった」が潜んでいる。
例:
● 揺れが収まったから安心 → 余震で家具が倒れケガ
● 川の水位が“まだ大丈夫”と思い続ける → 氾濫に巻き込まれる
● 避難情報を“自分には関係ない”と判断 → 手遅れに
状況評価が甘いと、間違った行動を選んでしまう。
■③ 家庭防災で使う“状況評価の基本3ステップ”
◆ステップ①:周囲の情報を集める(観察)
● 建物の揺れ方
● 窓・棚・家具の状況
● 音、匂い、振動
● 気象情報・緊急速報
● 家族の位置と安全確認
「今、何が起きている?」を丁寧に拾う。
◆ステップ②:危険を理解する(状況把握)
情報をもとに、
● ここに留まるのが危険か
● 移動すべきか
● 二次災害の可能性があるか
● 家族の誰が一番弱いか
● 電気・火気は安全か
を判断する。
◆ステップ③:次の展開を読む(未来予測)
● 余震は続く
● 暴風は強まる
● 河川は深夜にピーク
● 停電は長期化する
● 道路は冠水する
予測ができると、行動の精度が格段に高くなる。
■④ 元消防職員が教える “状況評価のコツ”
● ①「焦って動く」より「立ち止まって確認」
災害時は、行動よりも“判断”が命を左右する。
まず1つ深呼吸し、状況を整理してから動く。
● ② 見える情報と見えない情報を分ける
見える:
・揺れ、破損、天候、スマホ通知
見えない:
・建物の強度
・水位の上昇スピード
・火災の延焼方向
・家族が実際どこにいるか
見えない部分ほど命に直結するため慎重に判断する。
● ③ 常に“最悪シナリオ”を1つ想定する
プロが使う手法。
最悪を想定すれば、判断ミスが激減する。
例:
● 「余震がくるなら、家具から離れよう」
● 「水位が上がるなら、早めに避難しよう」
● 「停電しそうだから早めに充電しよう」
■⑤ 状況評価は“訓練で伸びる”スキル
状況評価は才能ではない。
やればやるほど上手くなる。
● 日ごろから天気図を見る
● 家の危険ポイントを把握しておく
● 避難ルートを時々歩く
● 気象警報が出たら行動を意識してみる
こうした小さな習慣が、災害時に命を救う。
■⑥ まとめ|状況評価は防災の“根本スキル”
防災×状況評価ができると──
● 正しい判断ができる
● 危険行動を避けられる
● 家族を守る行動が冷静にできる
● 二次災害のリスクが激減する
● 避難のタイミングを逃さない
防災は道具だけでは不十分。
“どう判断するか”こそ最大の防災力だ。
状況評価を身につければ、
あなたと家族の安全レベルが一気に高まる。

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