【防災士が解説】防災×議員(自治体議会で求められる“本当の防災力”)

地方議会で防災を語るなら、
「訓示」でも「精神論」でもなく、
住民の命を守る“実務”が分かっているかが勝負。

防災士・元消防職員として、
議員が押さえるべき“リアルな視点”をまとめる。


■① 災害を「政治課題」として扱えるか

防災は福祉・教育・インフラ・財政すべてに関連する。

● 高齢化 → 避難支援の人手不足
● まちづくり → 浸水区域の住宅問題
● 教育 → 学校避難所の機能向上
● 財政 → ハード整備の優先順位

“防災=横断的な政策”として扱える議員は強い。


■② 自治体の防災計画を読んでいるか

実は、多くの議員が読んでいない。

● 地域防災計画
● 水防計画
● 土砂災害警戒区域マップ
● 事業継続計画(BCP)

読んで理解している議員は、
すぐに質問・提案の質が変わる。


■③ 想定外を「想定内」にする視点があるか

災害現場は計画通りにいかない。
議員は、“机上の防災”を超えて考える必要がある。

● 避難所に人が殺到したら?
● 物資が遅れたら?
● 職員が出勤できず、行政機能が止まったら?

リアリティのある想像力が、防災政策の基礎。


■④ 住民が動ける仕組み作りに強いか

防災の主役は行政ではなく住民。

● 防災リーダー育成
● 自主防災組織支援
● 子ども向け防災教育
● 福祉避難支援の強化

「住民が動ける環境」を作れる議員ほど、災害に強い地域を作る。


■⑤ 災害弱者(要配慮者)への視点があるか

議員に最も必要な視点。

● 高齢者
● 障がいのある人
● 在宅医療の人
● 乳幼児・妊産婦
● 外国人
● 低所得世帯

“声を上げにくい人の代弁者”になれるかどうか。
ここが政治家としての力量。


■⑥ ハード整備だけでなく「教育」に投資できるか

多くの政治家は「ハード」に偏りがち。

● 堤防
● 排水設備
● 砂防ダム
● 避難所整備

これも重要だが、
“人を育てる防災”はさらに価値が大きい。

● 小中高の防災授業
● 親子防災教室
● 自治会訓練の支援
● 若者の防災参加

教育は票になりにくい。
だからこそ、本物の議員はここに力を入れる。


■⑦ 行政への「鋭い質問力」を持っているか

防災議員の武器=質問力。

● その対策の具体的根拠は?
● 地域差はどう補う?
● 他自治体より遅れていないか?
● 効果測定や検証手法は?

行政は嘘をつかないが、弱点は隠しがち。
議員がその弱点を見抜けるかが、防災力そのもの。


■まとめ|防災を理解する議員は、地域の命を救う

防災×議員で最も重要なのは以下の7点。

● 防災を政治の中心課題として扱える
● 地域防災計画の読み込みができる
● 想定外の想像力がある
● 住民主体の防災を作れる
● 要配慮者の代弁者になれる
● 教育・啓発に投資できる
● 行政に鋭い質問を投げられる

防災に強い議員は、
“最も地域に価値を残す議員”。

あなたがこうした視点を持つ人を応援するだけで、
地域の未来は確実に良くなる。

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