災害時に最も困るのは、
・高齢者 ・障害のある方 ・持病のある方 ・乳幼児 ・妊婦さん ・薬を継続している人
こうした“医療弱者”の方々だ。
避難所の医療体制は限界があり、薬も医師も不足するため、
家庭の備え=命を守る最後の砦 になる。
ここでは、医療弱者を守るために“家庭ができる最重要アクション”を解説する。
■① まず作るべきは「パーソナル医療キット」
医療弱者ほど“あなた専用の医療セット”が必要。
● いつもの薬(7〜14日分)
● お薬手帳のコピー
● アレルギー記載メモ
● 主治医の連絡先
● バイタルや病気の情報
● 常備薬
● 体温計・血圧計
これがあるだけで、避難所での医療判断が一気に正確になる。
医療従事者も「情報がそろっている人」から優先して動ける。
■② 必ず作ってほしい「緊急連絡カード」
医療弱者の命を守る最強ツール。
● 氏名・年齢
● 病名
● 服用中の薬
● アレルギー
● 緊急連絡先
● 使用中の医療機器(吸入、持続吸引など)
これ1枚で、知らない避難所でも安全にケアが受けられる。
■③ “薬が切れない仕組み”を作る
災害時に最も多いトラブルが
「薬が切れた」 という相談。
● 2週間分の予備をつくる
● 受診日を遅らせない
● かかりつけ薬局を決めておく
● 薬の写真をスマホに保存
● ジェネリック名も覚えておく
薬があるかどうかで、生死が分かれるケースは本当に多い。
■④ “医療機器”は停電対策が命を左右する
医療弱者ほど、停電は危険。
● 在宅酸素
● CPAP(睡眠時無呼吸)
● ネブライザー
● 電動吸引器
● 電動ベッド
これらは電源が止まると使えない。
準備すべきは
✔ ポータブル電源
✔ 延長コード
✔ 電池式の代用品
✔ 停電対応マニュアル
家庭での一工夫が命を救う。
■⑤ 感染症対策は“医療弱者ほど徹底”
避難所では免疫の弱い方ほど危険。
● マスク
● 手指消毒
● ウェットティッシュ
● スリッパ
● 体温管理
● 水分補給
感染症が広がる→医療が崩壊する→医療弱者が最も危険
この流れを止めるのが「家族の予防」。
■⑥ 食事は“噛む・飲み込む力”を見て選ぶ
医療弱者ほど食事の形態を意識すべき。
● やわらか食
● とろみ付きスープ
● 介護食のレトルト
● 水分ゼリー
● 栄養補助ゼリー
「飲み込めない」「むせる」は命の危険につながる。
家庭で事前に食べられるメニューを確認しておく。
■⑦ 在宅避難は医療弱者において重要な選択肢
住まいが安全なら、
避難所より在宅避難の方が医療的には安全。
● 薬がある
● 食事がある
● プライバシーが守られる
● 医療機器が使える
避難所に無理に行く必要はない。
在宅・車中泊・親族宅など複数の避難先を考えよう。
■⑧ 周囲の人が“見守り役”になることで救える命がある
医療弱者の人は、
● 人に助けを求めにくい
● 優先されにくい
● 気づいてもらえない
ことが多い。
近所・家族・地域が
✔ 気にかける
✔ 声をかける
✔ 情報を共有する
これだけでも、避難所の安全性は大きく変わる。
■まとめ|医療弱者を守るのは“家庭の備えと周囲の行動”
災害医療は万能ではない。
むしろ、ほぼ必ず不足する。
だからこそ家庭でできる備えが命を守る。
● 薬の備蓄
● 医療キット
● 緊急連絡カード
● 停電対策
● 食事形態の準備
● 在宅避難の選択
● 周囲の見守り
元消防職員・防災士として断言する。
医療弱者の命は、災害前の“たった1つの準備”で守れる。

コメント