シンガポールは、
「世界で最も治安が良い国」
「都市防災レベルが異次元」
と言われることが多い国。
国土は狭いけれど、
防災の仕組みと危機管理は“世界トップクラス”。
ここでは、防災士の視点から
シンガポールに学べる防災の本質
をわかりやすく解説する。
■① 国が小さい=災害に弱そう…なのに“世界最強の危機管理”
シンガポールは国土が東京23区とほぼ同じ。
自然災害も少ない。
● 地震 → ほぼ無い
● 台風 → 無い
● 津波 → 基本リスク小
● 火山 → 無い
それなのに「危機管理国家」と呼ばれる理由は、
“災害が少なくても油断しない”国民性と国家戦略にある。
日本は災害大国ゆえに備える。
シンガポールは災害が少ないのに備える。
= 危機管理の成熟度が高い国。
■② シンガポールの防災は“国全体が1つのチーム”
国が小さいからこそ、
国家の動きが極めて速い。
● 非常時の決定が早い
● 各省庁が縦割りでなく、統合的
● 国民への情報伝達も一元化
災害やテロが起きれば、
日本でいう“内閣府・消防庁・警察庁・自衛隊”の役割が
ひとつの枠組みで一気に動く。
= 「早く・正しく・確実に」動く国家。
■③ シンガポールが“世界最強の都市防災”と言われる3つの理由
●① 都市インフラが徹底的に整備されている
地下施設は、
平時は商業施設・駅、非常時は防空シェルター。
高層ビルも
すべて避難計画が標準装備。
道路・排水・通信が強靭で、
都市そのものが“要塞のように設計”。
●② 国家レベルのテロ対策が異次元
多民族国家ゆえに
「内乱」「テロ」のリスクが常にあるため、
国家警備のレベルが高い。
● 市民防衛部隊(SCDF)
● 街頭カメラ網(全国80,000台以上)
● MRT(地下鉄)の防爆強化
● テロ訓練の街ぐるみ実施
= 「治安がいい」のは偶然ではなく戦略。
●③ 国民教育が徹底している
国全体が“防災教育社会”。
● 学校で危機管理教育
● 国民に防災アプリ義務化レベルで浸透
● 企業防災も毎年見直し
● 市民防衛訓練(CERT)への積極参加
国民の「危機管理リテラシー」が高い。
= 日本も真似すべきポイントが多い。
■④ シンガポールが抱える“現代型リスク”
自然災害に強い国でも、弱点はある。
● 水・食料の自給率が極端に低い
● 輸入依存が高い
● 電気・石油も海外頼み
● 地政学リスク(南シナ海の緊張)
だからこそ国家は
“輸入が止まった時の備え”を常に考えている。
ここは日本と同じ。
むしろ海に囲まれた日本より深刻。
■⑤ 日本の家庭が学ぶべき「シンガポール式防災術」
① 災害が少なくても“油断しない”
シンガポールは地震がなくても備える国。
日本は災害が多いのに備えない人が多い。
これは本末転倒。
習慣を変えれば防災は強くなる。
② 国家・自治体・個人が“一枚岩”
● 情報がバラバラ
● どこに連絡すればいいかわからない
● 行政が複雑
日本の弱点はここ。
シンガポールは
「見える化」と「一本化」が超得意。
家庭の防災でも同じで、
・家族の連絡方法を一本化
・避難場所を一本化
・備蓄の管理ルールを一本化
これだけで一気に強くなる。
③ 国民教育を徹底する
「危機管理教育=命の学力」。
日本では学校でも習わないが、
シンガポールは国家が本気で教える。
家庭でもできる教育は多い。
● 火災の初期消火
● 119の正しい使い方
● 非常食の使い方
● 避難ルートの確認
● SNSの正しい使い方(デマ対策)
教育は“最高の防災”。
■まとめ|シンガポールは“防災の未来モデル”
● 災害が少なくても油断しない国
● 国家の意思決定が速く、情報が統一
● 市民の危機管理教育が徹底
● インフラが世界トップレベル
● 現代リスク(食料・エネルギー)にも備える国家戦略
シンガポールは、
「小さくても強い国家防災」
を体現している国。
日本の家庭防災にも
取り入れるヒントが山ほどある。
防災士として断言する。
危機管理は“国土の大きさ”ではなく、 どれだけ真剣に備えるかで決まる。
その点、シンガポールは間違いなく世界トップクラスです。

コメント