【防災士が解説】防災×アメリカ⑥|“ハリケーン・巨大火災・竜巻”から学ぶ家庭の防災術

アメリカは巨大災害が多い国だ。
ハリケーン、トルネード(竜巻)、大規模山火事、洪水…。
日本とは災害の種類が違うため、備え方も独特で、学べる点が多い。

ここでは、アメリカの“極端な災害との向き合い方”から、日本の家庭でも使える防災ポイントを解説する。


■① ハリケーン対策の“早期避難”は日本の水害にも活用できる

アメリカの沿岸部では、ハリケーン接近時に「とにかく早く逃げる」が鉄則。

● 48〜72時間前には避難開始
● 渋滞を避けて早朝に動く
● 家を捨てる勇気を持つ

これは日本の“線状降水帯・台風・河川氾濫”にも完全に応用できる。

「迷ったら逃げる」を徹底するのが最大の命綱。


■② 竜巻への備えは“家の中の安全確保”が本質

アメリカの竜巻多発地帯では、地下シェルターが一般的だが、
家庭レベルでは次の対策が重要。

● 窓から離れる
● 浴室や押し入れに避難
● 家具が倒れない場所へ移動
● 飛散物への備え(窓フィルム・カーテン)

これは日本の地震対策と共通する部分が多い。


■③ 巨大山火事への備え=“飛び火対策”と“避難の速度”

アメリカ西部の山火事は日本と規模が違い、街ごと焼けることもある。

その中で重要なのは次の2つ。

● 家の周囲に可燃物を置かない(1m以内は特に)
● 火の粉が飛ぶ前に避難

日本の山間部でも、落ち葉・枯草・薪・段ボールは火災の原因になる。
「家の外周スペースを整える」ことは大切な防災行動だ。


■④ 風水害・洪水の“リアルな避難生活シミュレーション”

アメリカ南部では、洪水用の備えが家庭レベルで当たり前。

● 車の燃料は常に半分以上
● 避難ルートを複数確保
● 高台の知人宅リストを作る
● 水・食料を家族3〜7日分

日本でも、車と家の両方で“逃げる準備”を整えることが必要。


■⑤ 停電対策のレベルが高い(“電力は止まる前提”)

アメリカは停電が多いため、家庭の備えはかなり進んでいる。

● ポータブル電源
● ガソリン式・太陽光式発電機
● USBで使える照明・ファン
● 予備バッテリー大量確保

日本の家庭も「停電前提」で準備すると、防災力が一気に上がる。


■⑥ 自宅退避(Shelter-in-Place)文化が強い

アメリカでは“家を要塞化”する発想が一般的。

● 飲料水・非常食の大量備蓄
● 生活用品は1〜2ヶ月分
● ペット用品も備蓄
● 医薬品リストを作成

日本は避難所に頼りがちだが、家庭備蓄を増やすほど安全性は高まる。


■⑦ コミュニティ支援が強い(ご近所ネットワーク)

アメリカでは災害時に近隣が自然と助け合う文化がある。

● BBQで食材を分け合う
● 機材をシェアする
● お互いの家の安全を確認

日本でも“助け合いができる関係づくり”が大きな防災になる。


■まとめ|アメリカの極端な災害は“備えの本質”を教えてくれる

アメリカの災害対応から学べるのは次の点。

● 早期避難は命を守る最強戦略
● 家の中の安全確保が災害対策の基本
● 火災は“飛び火対策”が最重要
● 停電前提の備えが家庭を救う
● コミュニティの力が大きな支えになる

災害の種類は違っても、“備えの原理”は共通している。
日本でも家庭の災害対策をレベルアップさせるヒントがたくさんある。

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