せいろは普段の蒸し料理に使うものだと思われがちだが、
実は災害時に“最強の調理道具”になる。
水が少なくても火が弱くても、栄養価を落とさず温かい食事を作れる。
ここでは、せいろから学べる“家庭の防災調理力”を解説する。
■① 少量の水で調理できる(断水に強い)
せいろの加熱は、底に少しの水を入れるだけで成立する。
● 鍋底に1〜2cmの水でOK
● ガス火・カセットコンロで使える
● 電気不要で停電に強い
水の節約につながり、断水時にも食事を作りやすい。
■② 洗い物がほとんど発生しない
災害時は洗い物が最大の負担になる。
せいろは“器のまま”蒸せるため、片付けが圧倒的に楽だ。
● 皿ごと蒸せる
● 汁物も容器のまま温め可能
● 水を一切使わず調理できる
これは非常時の調理にとって大きなメリット。
■③ 生ゴミが出にくい=衛生面で安心
避難生活ではゴミ出しができず、悪臭や虫の問題が起きやすい。
せいろは“素材そのまま”調理なので、ゴミが出にくい。
● 野菜は切ってそのまま蒸すだけ
● 肉・魚も袋のまま温めできる
● 調理中の油汚れもほぼなし
住環境の衛生を守ることは、防災の基本だ。
■④ ほぼすべての非常食を“温かい料理”に変換できる
せいろは加熱が均一で優しいため、どんな食品でも美味しく温められる。
● パウチごはん
● カレー・パスタソース
● 缶詰
● パン
● 冷凍食品
精神的ストレスが強い災害時に、温かい食事は大きな支えになる。
■⑤ ガス・固形燃料・アルコールストーブで使える
せいろは熱源を選ばない。
つまり、ほぼすべての“非常用調理器具”と相性がいい。
● カセットコンロ
● 固形燃料(エスビット)
● アルコールバーナー
● 焚き火台
調理の自由度が高く、環境に左右されにくい。
■⑥ 食材の“節約調理”ができる(栄養が逃げない)
蒸し料理は栄養を保ちやすいため、非常時の体力維持に最適。
● ビタミンが流れ出にくい
● 少量の肉でも満足度が高い
● 干し野菜・乾物の戻しにも使える
体力が落ちやすい避難時こそ、栄養を残した調理が必要だ。
■⑦ 多段調理で“家族分を一気に作れる”
せいろは積み重ねられるため、燃料の節約につながる。
● 一段目 → ごはん
● 二段目 → 野菜
● 三段目 → 肉や魚
“同時調理”ができることは非常時の大きな武器。
■まとめ|せいろは“災害時の調理効率”を最大化する
せいろから学べる防災ポイントは多い。
● 少量の水で調理できる
● 洗い物が出ない
● ほぼすべての非常食を温められる
● 多段調理で燃料を節約できる
“せいろ=和食調理”ではなく、
“せいろ=防災調理の万能ツール”としても使える。
家庭でひとつ備えておくだけで、災害時の食事力は大きく向上する。

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