【防災士が解説】防災×リチウムイオンバッテリー火災|“10秒で炎が噴き上がる”現代最凶の住宅火災

スマホ・モバイルバッテリー・電動自転車・ノートPC…。
現代の暮らしに欠かせないリチウムイオン電池だが、
火災が発生した時の危険度は“普通の火事とは別次元”。

一度暴走すると、
わずか数秒で高温炎上し、
大量の有毒ガスを撒き散らす。

ここでは、リチウムイオンバッテリー火災の危険性と
家庭で必ず徹底すべき防災ポイントを解説する。


■① “熱暴走”が始まると数秒で大炎上する

リチウムイオン電池火災の特徴は、とにかく早い。

熱暴走が起きると…

● 内部温度が一気に500〜800℃へ
● 炎が噴き出す(ジェット炎)
● 隣のセルへ連鎖的に延焼
● 消火が非常に困難

→ 家庭防災の結論:
火が見えた時点で“消せない火災”。逃げるのが唯一の正解。


■② 発火の原因は“衝撃・充電・劣化”の3つ

代表的な火災原因は以下。

● 落下・衝撃で内部短絡
● 過充電による破裂
● 非純正品の充電器・ケーブル
● 高温環境(車内・直射日光)
● 水濡れ → 内部ショート
● 経年劣化

→ 防災の本質:
“バッテリーは衝撃・熱・充電に弱い”。


■③ 電動自転車バッテリーの火災が急増

特に増えているのが電動アシスト自転車のバッテリー。

● 1個に大量のリチウムセル
● 充電中に火災発生
● 中古バッテリーの発火が増加
● マンション共用部での火災多発

→ 家庭防災では
“中古・互換バッテリーは絶対に使わない”。


■④ モバイルバッテリーは“床・布団の上”で充電すると危険

身近なバッテリーでも火災事例が多い。

● 布団の上で熱がこもる
● ソファの隙間で加熱
● 充電器を刺しっぱなし
● 寝ている間に発火

→ 家庭防災では
固い床・耐熱面・周囲に可燃物なし、これが鉄則。


■⑤ リチウム火災は“普通の水では消えない”

一般の消火器でも完全には消えにくい。

● 水をかけると反応して炎が大きくなることも
● 粉末消火器でも再発火(再燃)
● 熱暴走中は止められない

→ 家庭防災の正解は
「消そうとしない・避難する」。


■⑥ 発火は“充電終わり際・満充電時”に多い

過充電・満充電状態はバッテリーに負担が大きい。

● 100%充電の放置
● 充電器の差しっぱなし
● 夏場の高温充電

→ 家庭防災では
● 充電は“80〜90%で止める”
● 寝る前・外出前の充電はしない

これだけで火災リスクが大幅に減る。


■⑦ バッテリーの“膨張”は重大な危険サイン

膨張しているバッテリーは非常に危険。

● スマホの画面が浮く
● バッテリーが膨らんでいる
● 変なニオイがする
● 発熱が大きい

→ 家庭防災の鉄則:
膨張バッテリーは即使用中止・絶対に充電しない。


■⑧ 火災を防ぐ最強対策は“保管・充電ルール”

リチウムバッテリー火災のほぼすべては、
以下を守るだけで防げる。

● 可燃物の近くで充電しない
● 寝ている時・外出時に充電しない
● 非純正・怪しいメーカーを使わない
● 高温になる場所に放置しない
● 膨張・凹みはすぐに廃棄
● 電動自転車は屋内ではなく屋外で充電

→ 防災の本質:
「扱い方」を変えるだけで火災は激減する。


■まとめ|リチウムイオンバッテリー火災は“現代の住宅火災で最も危険”

リチウムイオン電池火災から学べるポイント。

● 数秒で炎が噴き出す熱暴走が最大の危険
● 発火原因は衝撃・過充電・劣化
● 電動自転車バッテリーの火災が急増
● 布団・ソファでの充電は絶対にNG
● 水や通常の消火器ではほぼ消えない
● 膨張・発熱は重大警告
● 正しい充電ルールで火災はほぼ防げる

リチウムイオンは便利だが、
“扱い方を間違えると家が一瞬で燃える”特別な電池。

日常の充電場所・保管方法を変えるだけで
家族の命を守る防災になる。

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