【防災士が解説】防災×長周期地震動|“ゆっくり・大きく・長く揺れる”高層ビルを襲う特別な地震の危険性

長周期地震動とは、
高層ビルや長い構造物が 大きくゆっくり揺れ続ける 特有の地震動のこと。

震度は小さくても、
高層階ほど揺れ幅が大きくなり、
家具が飛ぶ・天井が落ちる・歩けないほどの危険な状況になる。

ここでは、長周期地震動の特徴と、
家庭で知っておくべき防災ポイントを解説する。


■① “高層ビル特有の危険”が長周期地震動

普通の地震と何が違うのか?

● 揺れがゆっくり
● 揺れ幅が大きい(数十cm〜1m以上)
● 1〜3分以上長く続く
● 高層階ほど揺れが激しい
● 吐き気・立てない・歩けない

→ 家庭防災の前提:
震度より“揺れの周期”の方が危険を決めることがある。


■② なぜ高層マンション・ビルほど危険なのか

長周期地震動は、
建物が“しなる”ように揺れを増幅する。

● 高層階ほど揺れが数倍
● 家具固定をしていないと全て飛ぶ
● エレベーター停止
● 天井落下のリスク
● 玄関ドアが開かなくなる

→ 震源が遠くても、
都市部のタワマンが大きく揺れる のが特徴。


■③ 東日本大震災でも“500km離れた大阪”が大揺れ

長周期地震動は遠くまで伝わる。

● 震源は東北
● 大阪・名古屋の高層ビルが大きく揺れた
● 中部〜近畿の工場で天井落下多数

→ 距離が遠いから安心、は通用しない。


■④ エレベーター閉じ込めが大量発生

長周期地震動が起こると、
自動的にエレベーターが緊急停止する。

● 数百〜数千件の閉じ込め
● 1〜3時間出られないケース
● 夜間・停電中はさらに危険

→ 高層階に住んでいる人は
“階段前提での備え” が必要。


■⑤ 家具が“ゆっくり飛んでくる”のが最大の危険

長周期地震動の揺れ方は特殊で…

● 家具が大きくスライド
● テレビ台が部屋を横断
● 冷蔵庫が倒れる
● 給湯器配管が破損

→ 家具固定をしないと
避難も防御もできない。


■⑥ 高層階は“酔うような揺れ”で行動不能

長周期地震動は揺れが長く、
身体がバランスを失い続ける。

● めまい
● 吐き気
● 頭痛
● 座っても転びそうになる

→ 揺れが長いため、
平常時の行動ができなくなる。


■⑦ 日本は長周期地震動のリスクが高い国

理由はこの3点。

● 深い堆積平野(関東平野・濃尾平野・大阪平野)
● 高層ビルが集中
● プレート型巨大地震が多い

→ 特に危険な地域
東京・名古屋・大阪・福岡の湾岸高層エリア。


■⑧ 家庭でできる“長周期地震動対策”

高層マンション住まいの人は必須。

● 家具固定(L字金具・突っ張り棒)
● 冷蔵庫・テレビは必ず固定
● ガラス飛散防止フィルム
● 寝室は家具を置かない
● 非常用靴・ライトをベッド横に配置
● エレベーター閉じ込めを想定
● 飲料水・食料は3〜7日分

高層階ほど“揺れの準備”が命を守る。


■まとめ|長周期地震動は“高層建物を最も危険にする揺れ方”。家具固定と備蓄が命を守る

長周期地震動から学べるポイントは以下。

● 揺れが大きく・長く・ゆっくり
● 高層階ほど揺れが増幅
● 家具が飛ぶ・天井落下が起こる
● エレベーター閉じ込めが多発
● 震源から離れた都市も危険
● 家具固定が最重要
● 高層階は“階段生活”を想定
● 備蓄を充実させれば被害を減らせる

長周期地震動は“建物の高さ”で被害が決まる災害。
準備していれば命は守れる。
今日の対策が、家族を確実に守る行動になる。

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