日本列島の南側に位置する フィリピン海プレート は、
南海トラフ地震・東海地震・関東地震など、
日本の歴史を揺るがす巨大地震を繰り返し発生させてきた“震源の主役”だ。
このプレートの特徴を知ることは、
南海トラフ巨大地震の理解にもつながり、
家庭防災の質を大きく引き上げる。
ここでは、防災士の視点でフィリピン海プレートを分かりやすく解説する。
■① フィリピン海プレートとは“日本の南側から迫る海洋プレート”
太平洋プレートと並ぶ、重要な海洋プレートのひとつ。
● 年間4〜6cmほど北西方向へ移動
● 南海トラフで日本列島の下へ沈み込む
● エネルギー量が非常に大きい
● 巨大津波を伴う地震を引き起こす
→ 日本の巨大地震の「半分」はこのプレートが原因と言われる。
■② 南海トラフで発生する巨大地震の震源
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込み、
長年ためた歪みが限界を超えると巨大地震が発生する。
● 南海地震
● 東南海地震
● 東海地震
● 3つ連動の可能性も
→ 最悪の場合 M9級 の巨大地震+巨大津波。
■③ 関東大震災(1923)もフィリピン海プレートの動きが原因
首都直下型地震の代表例である関東大震災は、
プレートが複雑に沈み込む関東地域特有の構造で発生した。
● 関東平野下は3枚のプレートが重なり複雑
● 非常に強い揺れを生みやすい
● 今後も首都直下地震として再発が予測
→ “南海だけでなく関東も危険”というのが実態。
■④ 巨大津波の発生源として要注意
南海トラフ地震では、海底の大隆起が起きる。
● 10〜20m級の津波
● 数分〜10分で沿岸へ到達
● 愛知・静岡・和歌山・高知が特に危険
● 大阪湾の奥まで浸水の可能性
→ フィリピン海プレートは“津波発生の最重要プレート”。
■⑤ 深発地震より“強い揺れ型”の地震が多い
太平洋プレートは深発地震が多いが、
フィリピン海プレートは比較的浅い場所で地震を起こす。
● 揺れが強烈
● 震度6弱〜7の可能性
● 内陸の断層も刺激
→ 家具転倒・建物倒壊リスクが非常に高い。
■⑥ 繰り返し発生する“周期地震”が特徴
南海トラフ巨大地震は
おおむね100〜150年周期で繰り返し発生している。
● 1707 宝永
● 1854 安政
● 1944 昭和東南海・1946 昭和南海
● そして未来へ
→ 歴史的に見ても「いつ来てもおかしくない」。
■⑦ フィリピン海プレートの理解は“避難判断の質”を上げる
以下の地名・地震名が出たら、フィリピン海プレートの可能性大。
● 東南海沖
● 駿河湾
● 相模湾
● 南海トラフ
● 四国沖
● 紀伊半島沖
→ 津波の可能性を即判断できる。
■⑧ 家庭でできる“フィリピン海プレート前提の防災術”
南海トラフ・首都直下の両方に備えるための行動。
● 耐震改修・家具固定は最優先
● 津波避難計画を家族で共有
● 夜間に揺れても逃げられる導線を確保
● 車避難に頼りすぎない
● 1週間以上の備蓄を準備
● 子ども・高齢者の避難支援を想定
→ “巨大地震が確実に来る前提”で備えることが命を守る。
■まとめ|フィリピン海プレートは“日本の巨大地震を生む主要プレート”。理解はそのまま防災力になる
フィリピン海プレートから学べるポイントは次の通り。
● 日本の南側で沈み込み巨大地震を発生
● 南海トラフ地震はM9級の可能性
● 関東大震災の震源にも関与
● 巨大津波を引き起こす主因
● 強い揺れを生む浅い地震が多い
● 周期的に必ず再発
● 家庭では“逃げる準備”を最優先に
フィリピン海プレートの理解は、
南海トラフ巨大地震の備えを強化する最強の知識 になる。
今日からできる対策を積み重ね、家族を守る備えを進めよう。

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