日本列島は4つのプレートがぶつかる世界有数の地震地帯だが、
その中でも“最大級の陸側プレート”が ユーラシアプレート だ。
本州・四国・九州の大部分を支える巨大構造であり、
南海トラフ巨大地震とも深い関わりを持つ。
ここでは、防災士の視点でユーラシアプレートの正体をわかりやすく解説する。
■① ユーラシアプレートは“日本の西側をおおう巨大プレート”
ユーラシアプレートは、その名の通り“ユーラシア大陸”を含む超巨大プレート。
● 本州西部・四国・九州など
● 中国・韓国・東南アジアまで広がる
● 世界最大級の陸側プレート
● ぶつかり合うことで強い地震を生む
→ 日本の「西日本の揺れやすさ」を決める重要プレート。
■② フィリピン海プレートが“ユーラシアプレートの下”に沈み込む
南海トラフ付近では、
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいる。
● これが南海トラフ巨大地震の原因
● 紀伊半島〜四国〜九州まで危険域
● 歪みが100年以上蓄積している
→ ユーラシアプレートは“南海トラフの受け手”の側のプレート。
■③ 阪神淡路大震災(1995)もユーラシアプレートの内部地震
沈み込む力でプレート内部に圧力がかかり、
内陸に活断層が形成される。
例:
● 阪神・淡路大震災(M7.3)
● 鳥取県西部地震
● 島根県・大分県の内陸地震
→ 陸側プレートの圧縮で“直下型地震”が起きやすい。
■④ ユーラシアプレートは“日本海側の地震”にも関係
日本海側にもひずみが伝わり、地震が発生する。
● 新潟県中越地震(2004)
● 能登半島地震(2007, 2024)
● 山陰・北陸の活断層地震
→ “海沿いでも揺れる”のはユーラシアプレートの伸縮が理由。
■⑤ ユーラシアプレートは“揺れが短く強く出やすい”特徴がある
陸側プレートなので、震源が浅い地震が発生しやすい。
● 揺れが瞬間的に強い
● 建物被害が大きくなりやすい
● 液状化の危険も高まる
● 夜間直下型の危険が高い地域も多い
→ 「一気に揺れる」地震はユーラシアプレートの典型。
■⑥ 南海トラフ巨大地震は“ユーラシアプレートが跳ね上がる地震”
南海トラフ地震はフィリピン海プレートだけでなく、
実は“ユーラシアプレートが持ち上がる地震”でもある。
● 海底が急激に隆起
● 巨大津波が発生
● M8〜9級の想定
→ 西日本全域にとって最大級のリスクとなる理由。
■⑦ ユーラシアプレートの理解で“危険エリア”が見えてくる
危険度が高いのは、次の位置に住んでいる地域。
● 四国〜紀伊半島の太平洋側
● 関西〜中国地方の内陸部
● 九州の活断層帯
● 日本海側の断層密集地
→ “沈み込みの圧力がかかる地域”は揺れやすい。
■⑧ 家庭でできる“ユーラシアプレート前提の防災対策”
直下型・巨大地震の両方に備える。
● 家具固定は必須
● 寝室に割れ物を置かない
● 1週間以上の備蓄
● 津波警戒地域は即避難ルート確認
● 古い家は耐震診断を検討
● 夜間の停電を想定したライトを複数確保
→ “揺れが強く津波もある”地域は二重の対策が必須。
■まとめ|ユーラシアプレートは“西日本の地震を左右する巨大基盤”
ユーラシアプレートから分かるポイントは次の通り。
● 日本の西側を覆う超巨大プレート
● フィリピン海プレートの沈み込みで南海トラフ地震が発生
● 内陸の直下型(阪神淡路など)も関連
● 日本海側の地震にも影響
● 揺れは短く強く出やすい
● 西日本に住む人は特に耐震+津波のセットで備える
ユーラシアプレートを理解すると、
あなたの地域が“どんな地震に強いか・弱いか”が明確になる。
知識が、家族を守る最強の防災力へとつながる。

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