地震のニュースで必ず出てくる
「震度」と「マグニチュード」。
同じように聞こえるが、この2つは意味がまったく違う。
これを理解しているだけで、災害情報の“読み解き力”が一気に上がる。
防災士の視点で、家族を守るための基礎知識として整理する。
■① マグニチュード＝“地震そのものが持つエネルギー”
マグニチュード（M）は、
地震が放出したエネルギーの大きさ を表す数値。
● 震源でどれだけ大きな断層が動いたか
● 遠く離れても値は同じ
● 地震の“規模”を示す
例：
● M7 → M6の32倍のエネルギー
● M8 → M7の32倍
● M9 → M8の32倍（巨大津波レベル）
→ “地震のパワー・エネルギー”を示すのがマグニチュード。
■② 震度＝“あなたがいる場所でどれだけ揺れたか”
震度は 地表での揺れの強さ を示す。
場所によって違うのが特徴。
● 震度0〜7の階級
● エリアごとに数値が異なる
● 建物がどれだけ揺れたかの指標
例：
● 震度5弱 → 物が倒れる
● 震度6強 → 立っていられない
● 震度7 → 家屋倒壊レベル
→ “その場所がどれだけ危険だったか”を示すのが震度。
■③ マグニチュードは1つ、震度は“無数にある”
地震1回につき…
● マグニチュードは1つだけ
● 震度は地域ごとに異なる
例：
M7.3の阪神・淡路大震災
→ 神戸では震度7
→ 大阪では震度4〜5
→ 名古屋では震度2
→ 同じ地震でも揺れ方は地域で全く変わる。
■④ “小さくても揺れる地震” “大きくても揺れない地震”がある
理由は震源の場所・深さ・地盤。
例：
● 遠くのM8 → 震度1
● 直下のM5 → 震度6弱
● 深い地震（300km） → 広域で揺れるが震度は低め
→ “震度＝マグニチュードではない”を理解することが重要。
■⑤ 震度が変わる要因は“地盤と建物”
同じ市内でも震度が変わることは普通。
● 埋立地 → 揺れやすい
● 台地・岩盤 → 揺れにくい
● 高層ビル → 長周期で大きく揺れる
→ 自宅がどんな地盤か知るだけで防災判断が変わる。
■⑥ 津波は“マグニチュードの世界”
津波の危険度に影響するのは震度ではなくマグニチュード。
● M7後半〜M8級 → 津波の可能性
● M9級 → 巨大津波確実
● 揺れが弱くても津波は来る（東日本大震災の沿岸部など）
→ 津波避難は“震度では判断してはいけない”。
■⑦ 建物倒壊・家具転倒は“震度の世界”
家庭で直接危険なのは震度。
● 震度6弱 → 家具が飛ぶ
● 震度6強 → 立てない
● 震度7 → 倒壊の可能性
→ 自宅防災は“震度前提の対策”が必要。
■⑧ 家庭でできる“震度・マグニチュード理解を生かした防災”
● 震度対策 → 家具固定・耐震・室内安全
● マグニチュード対策 → 津波想定・長期備蓄
● 地震速報 → P波で行動
● 自宅の地盤 → 液状化・揺れやすさを把握
→ 数字を“行動に変換する”のが防災の本質。
■まとめ｜震度は“揺れの強さ”、マグニチュードは“地震そのものの大きさ”
この記事の重要ポイントはこちら。
● マグニチュード＝地震のエネルギー
● 震度＝その場所の揺れの強さ
● マグニチュードは1つ、震度は地域で異なる
● 津波はマグニチュード、倒壊は震度で判断
● 地震情報を読み解けると行動力が上がる
地震情報の意味がわかれば、
“どの災害にどう備えるべきか”が明確になる。
知識を日々の防災行動にしっかりつなげてほしい。
コメント