【防災士が解説】防災×震度|“あなたの家がどれだけ揺れるか”を示す最重要の指標

地震のニュースで最も耳にする「震度」。
これは その場所がどれだけ揺れたか を示す、日本独自の非常に優れた指標だ。

震度は、建物被害・家具転倒・避難判断など、
“家庭の防災”に直結する数字であり、
仕組みを理解するだけで防災力が一気に向上する。

ここでは、防災士の視点で「震度の本質」を整理する。


■① 震度=“場所ごとの揺れの強さ”

震度は 地震の揺れがどれだけ強かったかを表す数値

● 震度0〜7
● 地域ごとに値が違う
● 震度が高いほど建物・人への影響が大きい

→ “あなたの家がどれだけ危険だったか”を判断する基準。


■② マグニチュードとは全く別物

震度:その場所の揺れ
マグニチュード:地震そのもののエネルギー

● 小さい地震でも震度6になることがある(直下型)
● 巨大地震でも震度1しかない地域もある(遠方)

→ 震度は“被害と行動”につながる数字。


■③ 震度階級は0〜7の10段階(5・6は弱/強)

震度階級は次のとおり。

● 震度0:揺れを感じない
● 震度1〜2:軽い揺れ
● 震度3〜4:物が動き始める
● 震度5弱:物が倒れる/行動に支障
● 震度5強:固定していない家具が倒れる
● 震度6弱:立っていられず、家具が飛ぶ
● 震度6強:耐震性の弱い建物が倒壊
● 震度7:甚大な建物倒壊の可能性

→ 家庭の備えは“震度6”を基準にすると安心。


■④ 震度は“地盤によって大きく変わる”

同じ市内でも震度はバラバラになる。

理由は地盤。

● 埋立地・湿地 → 揺れが増幅
● 台地・岩盤 → 揺れにくい
● 谷底・低地 → 地下水が多く液状化の可能性

→ 自宅の地盤を知ることが、防災の第一歩になる。


■⑤ 建物の揺れやすさ(構造)でも震度が変わって見える

震度は観測点の地表の揺れだが、建物内では体感が変わる。

● 高層マンション → 上の階ほど揺れが大きい
● 木造住宅 → 揺れやすいが軽量
● RC造(鉄筋コンクリート) → 揺れにくいが重量が大きい

→ “同じ震度でも揺れ方は家庭によって違う”。


■⑥ 震度7は“家屋倒壊レベルの最大階級”

震度7は特別で、次の状況が起き得る。

● 家屋の倒壊
● 室内での致命的な転倒事故
● 道路・橋の崩壊
● 火災の発生

→ 熊本地震・能登地震など、近年も繰り返し発生している。


■⑦ 大規模地震では“広範囲で震度6〜7が同時に出る”

プレート型巨大地震(南海トラフ・東日本大震災など)では…

● 複数県で震度6
● 震度5強が数百kmに広がる
● 長周期地震動で高層ビルが大きく揺れる

→ “広域同時被災”を前提とする必要がある。


■⑧ 家庭での“震度前提の防災対策”

震度は直接あなたの家に関係する数字。
だから対策は非常に明確。

● 家具固定(耐震対策の中心)
● ガラス飛散防止フィルム
● 寝室の安全確保(特に就寝時)
● 通電火災対策(ブレーカーを落とす)
● 1週間以上の備蓄
● 外に逃げず“まず頭を守る”が優先

→ 震度6に耐える家づくりが命を守る最短ルート。


■まとめ|震度は“揺れの強さ”。家庭防災の最重要情報

この記事の重要ポイントはこちら。

● 震度=その場所の揺れの強さ
● マグニチュードとは完全に別
● 地盤・建物で震度は大きく変わる
● 震度6〜7は倒壊・怪我の危険大
● 家庭防災は“震度6対策”が標準
● 震度を理解すると行動が早くなる

震度は、家族がどう動くべきかを判断する“最も重要な数字”。
地震情報を正しく読み取り、
日常に落とし込んでいくことで、あなたの防災力はさらに高まる。

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